データ参照日:2025年12月4日
冒頭サマリ(結論)
ニッセイ日経225インデックスファンドは、日本を代表する優良企業225社に低コストで分散投資できる国内株式インデックスファンドです。日本経済の中核を担う大型株に投資したい方、ニュースで日経平均の値動きを毎日確認しながら投資を実感したい方に適しています。
特に以下のような投資家におすすめです:
- 日本株に集中投資したい方:国内の優良企業225社に厳選投資
- 値動きがわかりやすい投資先を求める方:日経平均株価として毎日ニュースで報道
- 低コストを重視する方:信託報酬0.275%と業界最低水準
- 日本経済の成長を信じる方:国内大型株中心のポートフォリオ
ただし、日本株のみに投資するため地域分散が効いていない点、TOPIXと比べて銘柄数が限定的である点には注意が必要です。
商品概要
基本情報
- 商品名:ニッセイ日経225インデックスファンド
- 運用会社:ニッセイアセットマネジメント
- 投資対象:日本株式(日経平均株価採用銘柄)
- ベンチマーク:日経平均株価(日経225)(配当込み)
- 信託報酬:年率0.275%(税込)
- 設定日:2004年1月28日
- 純資産総額:約3,653億円(2025年11月時点)
- 購入時手数料:なし(ノーロード)
- 信託財産留保額:なし
運用目的
このファンドは、日本を代表する株価指数である日経平均株価(日経225)に連動する投資成果を目指します。日経平均株価は、東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄の中から、日本経済新聞社が選定した225銘柄で構成されており、日本経済の動向を把握する上で最も注目される指標の一つです。
仕組み(投資先・ベンチマーク・構成国・リスク構造)
投資先と構成
ファンドは「ニッセイ日経225インデックスマザーファンド」を通じて、日経平均株価を構成する225銘柄の中から200銘柄以上に投資を行います。日経平均株価は株価平均型の指数であるため、株価が高い銘柄ほど指数への影響度が大きくなります。
日経225の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 構成銘柄数 | 225銘柄 |
| 算出方法 | 株価平均型(修正平均株価) |
| 対象市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
| 銘柄選定 | 日本経済新聞社が流動性や業種バランスを考慮して選定 |
| 見直し頻度 | 年1回(10月)の定期見直し、臨時入替もあり |
主要構成銘柄(例)
日経225は株価加重型であるため、株価が高い銘柄の影響度が大きくなります。代表的な構成銘柄には以下のような企業が含まれます:
- ファーストリテイリング(ユニクロ)
- 東京エレクトロン(半導体製造装置)
- ソフトバンクグループ
- ダイキン工業
- KDDI
- リクルートホールディングス
- 信越化学工業
- トヨタ自動車
リスク構造
日経225インデックスファンドのリスクレベルは中〜高です。株式100%のため値動きは大きく、特に日本経済や為替相場、世界経済の動向に影響を受けます。過去のデータでは年率リターンが約10%程度ですが、短期的には大きく下落する可能性もあります。
メリット
1. 業界最低水準の低コスト
信託報酬が年率0.275%と、日経225連動型ファンドの中でも最低水準のコストを実現しています。長期投資において、コストの差は運用成果に大きく影響するため、この低コスト性は大きなメリットです。
なぜ重要か:信託報酬が低いほど、複利効果によって長期的なリターンの差が拡大します。
2. 値動きがわかりやすい
日経平均株価は毎日ニュースや新聞で報道されるため、自分の投資がどう動いているか直感的に理解できます。投資初心者にとって、ニュースで「日経平均が上がった」と聞いて自分の資産も増えていることを実感できるのは、投資を続けるモチベーションになります。
なぜ重要か:投資への関心を維持しやすく、相場感覚を身につけやすいため。
3. 日本を代表する優良企業に投資
225銘柄は日本経済を代表する大企業で構成されており、流動性が高く安定した企業が多く含まれています。トヨタ自動車、ソニー、ファーストリテイリングなど、世界的に認知度の高い企業に投資できます。
なぜ重要か:企業の知名度が高いため、投資先への理解と安心感が得られます。
4. 長期の実績と信頼性
2004年設定という長い運用実績があり、純資産総額も3,600億円超と大規模です。運用会社であるニッセイアセットマネジメントも、国内有数の運用会社として信頼性が高く、長期保有に適しています。
なぜ重要か:純資産総額が大きいファンドは繰上償還のリスクが低く、安心して長期保有できます。
5. 購入・換金手数料が無料
ノーロード(購入時手数料なし)かつ信託財産留保額もゼロのため、いつでも気軽に購入・売却できます。投資のハードルが低く、初心者でも始めやすい設計です。
なぜ重要か:売買コストがかからないため、資産配分の調整がしやすくなります。
デメリット
1. 地域分散が効いていない
このファンドは日本株式のみに投資するため、日本経済が低迷した場合にリターンが伸び悩むリスクがあります。過去30年間の「失われた30年」では、日本株のパフォーマンスは米国株や世界株に大きく劣後しました。
リスクの明確化:世界経済全体の成長を取り込めないため、他国の成長機会を逃す可能性があります。
2. 株価加重型による偏り
日経225は株価平均型であるため、株価が高い銘柄(例:ファーストリテイリング)の影響度が極端に大きくなります。特定企業の株価変動が指数全体に与える影響が大きく、分散効果が限定的です。
リスクの明確化:一部の高株価銘柄の不調が、ファンド全体のパフォーマンスを大きく引き下げる可能性があります。
3. TOPIXと比べて銘柄数が少ない
TOPIXは約1,700銘柄をカバーするのに対し、日経225は225銘柄のみです。そのため、中小型株の成長機会を取り込みにくく、日本株市場全体の動きを完全には反映しません。
リスクの明確化:日本市場全体への投資を望む場合、TOPIX連動型の方が適しています。
4. 配当利回りが比較的低い
日経225採用銘柄には成長株も多く含まれるため、配当利回りは2%前後と、高配当株ファンドと比べて低めです。インカムゲイン(配当収入)重視の投資家には物足りない可能性があります。
リスクの明確化:定期的な配当収入を重視する場合、高配当株ファンドの検討も必要です。
5. 為替リスクの恩恵を受けない
日本円建ての日本株式に投資するため、円安による為替差益を享受できません。海外株式ファンドは円安時に資産価値が上昇しますが、このファンドにはそのメリットがありません。
リスクの明確化:円高局面では海外株式に対して相対的に不利になる可能性があります。
他商品との比較
| 項目 | ニッセイ日経225 インデックスファンド |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) |
ニッセイ外国株式 インデックスファンド |
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) |
|---|---|---|---|---|
| ベンチマーク | 日経225 | TOPIX | MSCIコクサイ | MSCIオールカントリー |
| 投資対象 | 日本大型株225銘柄 | 日本株約1,700銘柄 | 先進国株式(日本除く) | 全世界株式 |
| 信託報酬 | 0.275% | 0.154% | 0.09889% | 0.05775% |
| 分散効果 | 低(225銘柄) | 中(約1,700銘柄) | 高(約1,300銘柄) | 最高(約2,900銘柄) |
| 地域分散 | なし(日本のみ) | なし(日本のみ) | あり(先進国) | 最高(全世界) |
| 過去リターン (年率・参考値) |
約9〜10% | 約8〜9% | 約10〜12% | 約10〜11% |
| 値動きのわかりやすさ | ◎(毎日ニュース報道) | ○(報道頻度やや低) | △(複数国に分散) | △(全世界に分散) |
比較のポイント
- 日本株重視なら:日経225 vs TOPIX で選択。値動きのわかりやすさなら日経225、分散効果ならTOPIX
- 地域分散重視なら:外国株式や全世界株式の方が適切
- コスト重視なら:eMAXIS Slimシリーズの方が信託報酬が低い
初心者向けの注意点
1. 「日経平均が史上最高値」でも自分の損益は別
日経平均が過去最高値を更新しても、あなたが購入したタイミングによっては損失が出ている場合もあります。重要なのは「自分が買った価格」との比較です。
2. 日経225 ≠ 日本経済全体
日経225は225の大企業のみで、日本の全上場企業(約3,900社)のごく一部です。中小型株の動きは反映されないため、「日本経済全体」への投資ではありません。
3. TOPIXとの違いを理解する
日経225は「株価平均型」、TOPIXは「時価総額加重型」です。日経225は高株価銘柄の影響が大きく、TOPIXは時価総額の大きい企業の影響が大きくなります。
4. 日本株だけに集中投資するリスク
日本経済が長期停滞した場合、資産が増えにくくなります。世界経済全体の成長を取り込むには、海外株式との組み合わせが推奨されます。
5. 短期的な値動きに一喜一憂しない
株式投資は短期的には大きく変動します。日経平均が1日で1,000円動くこともありますが、長期的な視点を持つことが重要です。
ポートフォリオ例(用途の例であり推奨ではない)
パターン1:日本株中心ポートフォリオ
- ニッセイ日経225インデックスファンド:60%
- eMAXIS Slim 先進国債券インデックス:30%
- 現金・預金:10%
用途:日本株の成長を信じつつ、債券で安定性を確保
パターン2:日本株+海外株バランス型
- ニッセイ日経225インデックスファンド:30%
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):40%
- eMAXIS Slim 先進国債券インデックス:20%
- 現金・預金:10%
用途:日本株と米国株の両方に投資し、地域分散を図る
パターン3:コアサテライト戦略
- eMAXIS Slim 全世界株式(コア):70%
- ニッセイ日経225インデックスファンド(サテライト):20%
- 現金・預金:10%
用途:全世界株式をコアに、日本株を追加配分してアクセントをつける
よくある質問(FAQ)
Q1. 日経225とTOPIX、どちらがおすすめですか?
A. 値動きのわかりやすさや日経平均への親しみを重視するなら日経225、より幅広い銘柄に分散投資したいならTOPIXがおすすめです。コスト面ではTOPIX連動ファンド(eMAXIS Slim 国内株式TOPIX)の方が信託報酬が低い傾向にあります。
Q2. 新NISAのつみたて投資枠で購入できますか?
A. はい、ニッセイ日経225インデックスファンドは新NISAのつみたて投資枠対象商品です。月々100円から積立投資が可能です。
Q3. このファンドだけで資産形成は十分ですか?
A. 日本株のみへの投資となるため、地域分散の観点からは不十分です。全世界株式や米国株式ファンドとの組み合わせを検討することをおすすめします。
Q4. 配当金はどうなりますか?
A. ファンド内で自動的に再投資されます。分配金は原則として支払われない方針のため、複利効果を最大化できます。
Q5. 円安・円高の影響はありますか?
A. 日本円建ての日本株式に投資するため、為替リスクは基本的にありません。ただし、構成銘柄には輸出企業も多いため、間接的に為替相場の影響を受けることがあります。
Q6. いつ売却すればいいですか?
A. 長期投資が基本です。売却のタイミングは、資金が必要になった時や、ポートフォリオのリバランス時が考えられます。短期的な値動きで売却判断するのは避けましょう。
まとめ
- 日経225連動で値動きがわかりやすい:ニュースで日経平均を確認でき、投資の実感を得やすい
- 業界最低水準の低コスト:信託報酬0.275%で長期投資に適している
- 日本の優良企業225社に投資:トヨタ、ソニーなど知名度の高い大企業が中心
- 購入・換金手数料が無料:ノーロードで初心者でも始めやすい
- 地域分散は効いていない:日本株のみのため、海外株式との組み合わせ推奨
- 株価加重型の偏り:高株価銘柄の影響度が大きく、分散効果は限定的
- TOPIXより銘柄数が少ない:225銘柄のみで、日本市場全体はカバーしていない
- 長期投資が基本:短期的な値動きに惑わされず、10年以上の保有を推奨
免責事項
本記事は投資判断の参考情報を提供するものであり、特定の金融商品の購入を推奨・勧誘するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本を割り込む可能性があります。投資判断は、ご自身の責任において行ってください。
記事内のデータや情報は記事更新時点(2025年12月4日)のものであり、将来の運用成果を保証するものではありません。最新の情報については、運用会社の公式サイトや目論見書をご確認ください。