データ参照日:2025年11月下旬
冒頭サマリ(結論)
iFreeNEXT FANG+インデックスは、米国を代表するテクノロジー大手10社に集中投資するテーマ型インデックスファンドです。このファンドは、高いリターンを期待できる一方で、値動きが非常に大きいという特徴があります。
どんな人に向いているか:
- 米国のテクノロジー大手企業の成長に強気で、積極的にリスクを取れる投資家
- S&P500やオールカントリーなど、幅広く分散された投資信託を既に保有しており、ポートフォリオの一部に高成長資産を加えたい中級者
- 短期的な価格変動に動揺せず、長期的な視点で保有できる投資家
- 新NISA成長投資枠で個性的な投資先を探している人
初心者が最初に知るべき重要ポイント:
- 10社への集中投資のため、値動きが激しく、1年間で50%以上の上昇や30%以上の下落もあり得る
- 経費率は0.7755%と高めで、低コストインデックスファンド(0.1%前後)の約8倍
- NISA成長投資枠対応だが、つみたて投資枠には非対応
- 過去のパフォーマンスは優秀だが、将来も同様とは限らない点に注意
- 初めての投資信託としては不適切で、分散投資の補完として位置づけるべき
商品概要(目的・特徴)
iFreeNEXT FANG+インデックスは、大和アセットマネジメント株式会社が運用する投資信託です。この商品は、NYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)に連動することを目指しています。
商品の基本情報:
- 商品名:iFreeNEXT FANG+インデックス
- 運用会社:大和アセットマネジメント株式会社
- 投資対象:米国テクノロジー大手10社の株式
- ベンチマーク:NYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)
- 経費率(信託報酬):年率0.7755%(税込)
- 純資産総額:約9,859億円(2025年11月時点)
- 設定日:2018年1月31日
- 為替ヘッジ:なし
- NISA対応:成長投資枠○、つみたて投資枠×
このファンドは、「FANG」という言葉に由来しており、当初はFacebook(現Meta)、Amazon、Netflix、Googleの頭文字を取ったものでした。現在の「FANG+指数」は、これらに加えて、Tesla、Nvidia、Apple、Microsoft、Snowflake、Metaの10社で構成されています(構成銘柄は定期的に見直されます)。
仕組み(投資先・ベンチマーク・構成国・リスク構造)
投資先とベンチマーク
NYSE FANG+指数は、次世代テクノロジー(クラウド、SNS、EC、AI、EVなど)をリードする米国企業10社を、均等ウェイト(各10%)で構成した指数です。四半期ごとにリバランスが行われ、構成銘柄も定期的に見直されます。
代表的な構成銘柄(2025年11月時点):
- Meta Platforms(旧Facebook)
- Apple
- Amazon
- Netflix
- Alphabet(Google)
- Microsoft
- Nvidia
- Tesla
- Broadcom
- Snowflake
構成国とセクター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 構成国 | 米国100% |
| 主要セクター | 情報技術、一般消費財、コミュニケーションサービス |
| 銘柄数 | 10銘柄 |
| リバランス | 四半期ごと(均等ウェイトに戻す) |
リスク構造
iFreeNEXT FANG+インデックスは、高リスク・高リターン型の投資信託です。
- リスク水準:非常に高い
- 値動きの幅:年率リターンが±30〜60%程度変動することもある
- 主なリスク要因:
- 株価変動リスク:テクノロジー株は景気や金利の影響を受けやすい
- 集中投資リスク:10社のみへの投資のため、個別企業の業績悪化が直接影響する
- 為替リスク:円安時は基準価額上昇、円高時は下落の影響を受ける
- セクター集中リスク:テクノロジーセクターに偏重しているため、セクター全体の不調が影響する
メリット(3〜5個)
1. 米国テクノロジー大手企業への厳選投資が可能
世界経済をリードする米国のテクノロジー企業10社に集中投資できます。これらの企業は、AI、クラウド、EC、SNS、EVなど、今後も成長が期待される分野で強いポジションを持っています。
なぜ重要なのか:個別株を購入するには大きな資金が必要ですが、投資信託なら少額から10社にまとめて投資できます。
2. 過去の高いリターン実績
iFreeNEXT FANG+インデックスは、設定来で非常に高いリターンを記録しています。例えば、過去5年間のトータルリターンは年率30%を超える時期もあり、S&P500やNASDAQ100を上回るパフォーマンスを示してきました。
なぜ重要なのか:資産を大きく増やしたい投資家にとって、高成長銘柄への集中投資は魅力的な選択肢となります。
3. 均等ウェイトによる分散効果
FANG+指数は、10銘柄を均等(各10%)に保有する設計です。これにより、時価総額加重型の指数と比べて、大型株だけでなく中小型の成長企業にも均等に投資できます。
なぜ重要なのか:AppleやMicrosoftのような超大型株だけでなく、SnowflakeやBroadcomのような成長中の企業にも同じウェイトで投資できるため、多様な成長機会を捉えやすくなります。
4. 新NISA成長投資枠に対応
iFreeNEXT FANG+インデックスは、新NISA成長投資枠で購入できます。年間240万円までの投資が非課税となるため、長期的な資産形成に活用できます。
なぜ重要なのか:高いリターンを非課税で享受できる可能性があり、税制メリットを最大限活用できます。
5. 純資産総額が大きく安定運用
2025年11月時点で純資産総額は約9,859億円に達しており、国内の投資信託の中でも大規模なファンドです。純資産が大きいファンドは、運用の安定性が高く、早期償還のリスクも低くなります。
なぜ重要なのか:人気のあるファンドであり、多くの投資家から支持されている証拠です。流動性も高く、売買がスムーズに行えます。
デメリット(3〜5個)
1. 経費率(信託報酬)が高い
年率0.7755%の信託報酬は、一般的なインデックスファンド(0.1%前後)と比べて約8倍高いコストです。長期保有すると、このコストが複利効果でリターンを大きく削減します。
リスクの明確化:例えば、100万円を10年間運用した場合、年率リターンが同じでも、信託報酬0.1%と0.7755%では、最終的な資産額に数万円〜十数万円の差が生じる可能性があります。
2. 値動きが非常に激しい(高ボラティリティ)
10社への集中投資のため、株価の変動が激しく、短期間で基準価額が大きく上下します。例えば、2022年には米国株式市場全体の下落に伴い、基準価額が年初来で40%以上下落した時期もありました。
リスクの明確化:投資額が半年で30%減少することもあり得るため、精神的な負担が大きく、初心者には不向きです。短期的な損失に耐えられる資金と精神力が必要です。
3. セクター集中リスク(テクノロジー偏重)
10社すべてがテクノロジー関連企業であるため、テクノロジーセクター全体が不調になると、ファンド全体が大きく影響を受けます。特に、金利上昇局面ではテクノロジー株が売られやすい傾向があります。
リスクの明確化:2022年の米国金利上昇局面では、テクノロジー株が大きく売られ、FANG+指数も急落しました。分散投資の観点からは、リスクが偏っています。
4. つみたて投資枠には非対応
新NISAのつみたて投資枠(年間120万円)では購入できません。成長投資枠(年間240万円)のみ対応のため、つみたて投資枠を使い切りたい投資家には不向きです。
リスクの明確化:つみたて投資枠で長期・積立・分散投資を行いたい初心者には選択肢から外れます。
5. 過去のパフォーマンスが将来を保証しない
過去10年間、米国テクノロジー株は好調でしたが、今後も同じように成長するとは限りません。規制強化、競争激化、技術革新の停滞などにより、成長が鈍化するリスクがあります。
リスクの明確化:「過去のリターンが高いから」という理由だけで投資すると、期待外れの結果になる可能性があります。投資判断は慎重に行う必要があります。
他商品との比較(似ているETF/投信との比較表)
| 項目 | iFreeNEXT FANG+インデックス | ニッセイ NASDAQ100インデックスファンド | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
|---|---|---|---|
| 投資対象 | 米国テクノロジー大手10社 | NASDAQ100構成企業(約100社) | S&P500構成企業(約500社) |
| 経費率 | 0.7755% | 0.2035% | 0.09372% |
| リスク水準 | 非常に高い | 高い | 中〜高 |
| 過去5年リターン(年率平均) | 約30〜40% | 約25〜30% | 約15〜20% |
| NISA対応 | 成長投資枠のみ | 成長投資枠のみ | つみたて投資枠・成長投資枠 |
| 分散度 | 低い(10銘柄) | 中程度(約100銘柄) | 高い(約500銘柄) |
| 向いている投資家 | テクノロジー大手に集中投資したい中級者 | 米国テクノロジー全般に投資したい人 | 米国株式全体に幅広く投資したい初心者〜中級者 |
比較のポイント:
- FANG+は最も集中度が高く、リターンもリスクも最大
- NASDAQ100はテクノロジー中心だが、100社に分散されている
- S&P500は最も分散が効いており、コストも最安で初心者向き
初心者向けの注意点(誤解されやすいポイントを補足)
誤解1:「人気があるから安全」ではない
純資産総額が大きく人気のあるファンドですが、人気=低リスクではありません。値動きは非常に激しく、短期間で大きな損失を被る可能性があります。
誤解2:「テクノロジー株は必ず上がる」ではない
過去10年間、米国テクノロジー株は好調でしたが、今後も同様とは限りません。2000年代初頭のITバブル崩壊では、テクノロジー株が80%以上下落した例もあります。
誤解3:「均等ウェイト=リスク分散」ではない
10社に均等投資しているとはいえ、すべてテクノロジー関連企業であり、セクターとしては全く分散されていません。真の分散投資にはなりません。
誤解4:「NISA対応だから初心者向け」ではない
成長投資枠に対応していますが、値動きの激しさや高コストから、初心者が最初に選ぶファンドとしては不適切です。まずは低コストで分散されたインデックスファンドから始めるべきです。
ポートフォリオ例(用途の例であり推奨ではない)
以下は、FANG+インデックスをポートフォリオに組み込む場合の例です。あくまで参考であり、投資推奨ではありません。
例1:コア・サテライト戦略(中級者向け)
- コア(70%):eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- サテライト(20%):iFreeNEXT FANG+インデックス
- 現金・債券(10%):個人向け国債や預金
狙い:全世界株式で安定的な分散を確保しつつ、FANG+で高成長を狙う戦略。
例2:米国株式集中ポートフォリオ(リスク許容度高)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):50%
- iFreeNEXT FANG+インデックス:30%
- eMAXIS Slim 先進国債券インデックス:20%
狙い:米国株式に集中しつつ、債券でリスクを一部緩和。
例3:テクノロジー重視ポートフォリオ(上級者向け)
- ニッセイ NASDAQ100インデックスファンド:40%
- iFreeNEXT FANG+インデックス:30%
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド:30%
狙い:テクノロジーセクターに強気の投資家向け。非常にリスクが高いため、上級者のみ推奨。
よくある質問(FAQ)
Q1. iFreeNEXT FANG+インデックスは初心者に向いていますか?
A: いいえ、初心者には不向きです。値動きが激しく、短期間で30%以上の損失が出る可能性があるため、投資経験があり、リスク許容度の高い中級者以上に適しています。初心者は、まず低コストで分散されたS&P500やオールカントリーから始めることをおすすめします。
Q2. FANG+とNASDAQ100の違いは何ですか?
A: FANG+は米国テクノロジー大手10社に集中投資し、均等ウェイトで構成されています。一方、NASDAQ100は約100社に分散され、時価総額加重型です。FANG+の方がリスクとリターンが高く、集中度が高い特徴があります。
Q3. 経費率0.7755%は高すぎませんか?
A: 一般的なインデックスファンド(0.1%前後)と比べると確かに高いです。長期保有するとコストが複利で積み上がるため、リターンを削減します。高いリターンを期待できる分、コストも高いという設計ですが、コストに見合うリターンが得られるかは将来次第です。
Q4. つみたてNISAで購入できますか?
A: いいえ、つみたてNISA(新NISAつみたて投資枠)では購入できません。成長投資枠のみ対応しています。つみたて投資枠で購入したい場合は、低コストのインデックスファンドを選んでください。
Q5. 為替ヘッジはありますか?
A: いいえ、為替ヘッジはありません。そのため、円安時は基準価額が上昇し、円高時は下落します。為替リスクを負うことになりますが、長期的には為替ヘッジなしの方がコストが低く、リターンが高い傾向があります。
Q6. 分配金は出ますか?
A: 原則として分配金は出ません(年1回決算ですが、再投資型)。分配金を受け取らず、ファンド内で再投資されるため、複利効果を最大化できます。
まとめ(箇条書き)
- iFreeNEXT FANG+インデックスは、米国テクノロジー大手10社に集中投資する高リスク・高リターン型のファンド
- 過去のパフォーマンスは優秀だが、値動きが非常に激しく、短期間で30%以上の損失が出る可能性もある
- 経費率0.7755%は、低コストインデックスファンドの約8倍と高く、長期保有時のコスト負担が大きい
- 10社への集中投資のため、セクター分散が効いておらず、テクノロジー株全体の不調がダイレクトに影響する
- 新NISA成長投資枠に対応しているが、つみたて投資枠には非対応
- 初心者には不向きで、すでに分散投資を行っている中級者以上が、ポートフォリオの一部(10〜30%程度)に組み込むのが適切
- コア・サテライト戦略のサテライト部分として活用するのが現実的な使い方
- 過去のリターンが高いからといって、将来も同じように成長するとは限らない点に注意
免責事項
本記事は、iFreeNEXT FANG+インデックスに関する情報提供を目的としたものであり、投資助言や特定の投資商品の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
記事に記載された情報は、2025年11月下旬時点のものであり、今後変更される可能性があります。最新の情報は、運用会社の公式サイトや目論見書でご確認ください。
投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するものではありません。