eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の評価レビュー|メリット・デメリットと初心者向け解説

この記事で分かること

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の特徴と仕組み
  • 業界最低水準の信託報酬と純資産総額10兆円突破の実績
  • メリット・デメリットと他の米国株ファンドとの比較
  • 初心者が知っておくべき注意点とよくある質問

※本記事の情報は2026年1月時点のものです。最新の情報は運用会社の公式サイトでご確認ください。

【結論】長期投資に最適な低コスト米国株インデックスファンド

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国を代表する500社に分散投資できる、業界最低水準のコストを誇る投資信託です。純資産総額は国内公募投信として初めて10兆円を突破し、多くの投資家から支持されています。

特に以下のような方に向いています:

  • 米国経済の成長に長期で投資したい方
  • コストを抑えて効率的に資産形成したい方
  • つみたてNISAや新NISAを活用したい方
  • 投資信託で初めて株式投資を始める方

商品概要|eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基本情報

項目 内容
商品名 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
運用会社 三菱UFJアセットマネジメント
設定日 2018年7月3日
ベンチマーク S&P500指数(配当込み、円換算ベース)
信託報酬 年率0.08140%以内(税込)
購入時手数料 なし(ノーロード)
信託財産留保額 なし
純資産総額 約10.18兆円(2026年1月時点)
決算日 毎年4月25日
つみたてNISA 対象
新NISA(つみたて投資枠) 対象
新NISA(成長投資枠) 対象

初心者向け用語解説

「S&P500指数」とは? → 米国の株式市場に上場している代表的な500社の株価を基に算出される指数のこと。Apple、Microsoft、Amazon、NVIDIAなど、世界的に有名な企業が含まれています。

仕組み|S&P500への投資を通じて米国経済の成長に参加

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、S&P500指数に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。つまり、このファンドを1つ買うだけで、米国を代表する約500社に自動的に分散投資できます。

投資対象と構成

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の投資の流れを示す図。投資家が100円から投資でき、ファンドがS&P500指数に連動して約500社の米国企業に分散投資する仕組みを表している。

S&P500指数は、米国の株式市場全体の約80%をカバーしています。構成銘柄は時価総額に応じて定期的に見直され、常に「今の米国経済を代表する企業」で構成されます。

上位構成銘柄(2026年1月時点の参考)

順位 銘柄名 セクター
1 Apple 情報技術
2 Microsoft 情報技術
3 NVIDIA 情報技術
4 Amazon 一般消費財
5 Alphabet(Google) コミュニケーション
6 Meta(Facebook) コミュニケーション
7 Berkshire Hathaway 金融
8 Broadcom 情報技術
9 Tesla 一般消費財
10 JPMorgan Chase 金融

※構成銘柄と順位は市場の変動により変わります。最新情報は運用報告書でご確認ください。

セクター構成(参考)

S&P500のセクター構成を示すドーナツチャート。情報技術が約30%で最大、次いで金融約13%、ヘルスケア約12%、一般消費財約10%、コミュニケーション約9%、資本財約8%、生活必需品約6%、エネルギー約4%、その他約8%で構成されている。
セクター 比率(目安)
情報技術 約30%
金融 約13%
ヘルスケア 約12%
一般消費財 約10%
コミュニケーション 約9%
資本財 約8%
生活必需品 約6%
エネルギー 約4%
その他 約8%

具体例で考えてみよう

たとえば、このファンドに月1万円を投資すると:

  • 約3,000円がApple、Microsoft、NVIDIAなどのIT企業に
  • 約1,300円がJPMorganやBank of Americaなどの金融機関に
  • 約1,200円がJohnson & Johnsonなどのヘルスケア企業に
  • 残りが消費財、通信、エネルギーなど様々なセクターに

たった1万円で、世界を代表する約500社に分散投資できるのがこのファンドの魅力です。

為替リスクについて

このファンドは為替ヘッジなしのため、米ドル/円の為替変動の影響を受けます。円安になれば円換算での資産価値は上昇し、円高になれば下落します。

初心者向け用語解説

「為替ヘッジなし」とは? → 為替変動の影響をそのまま受ける仕組みのこと。円安になると有利、円高になると不利になります。長期投資では為替変動は平準化される傾向があるため、多くのインデックスファンドは為替ヘッジなしを採用しています。

為替リスクを抑えたい方は、為替ヘッジありの商品もあります。

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メリット|eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の強み

メリット1:業界最低水準の信託報酬

米国株インデックスファンドの信託報酬比較チャート。楽天・プラス・S&P500が0.077%、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が0.08140%、SBI・V・S&P500が0.0938%、楽天VTIが0.162%、一般的なアクティブファンドが1.0%~1.5%。100万円を20年運用した場合、0.08%と1.0%の差で約38万円の違いが生まれることを示している。

信託報酬は年率0.08140%以内(税込)で、S&P500に連動する投資信託の中でも最低水準です。さらに、純資産総額が6兆円を超えているため、受益者還元型信託報酬が適用され、実質的なコストは約0.07713%まで下がります。

なぜ低コストが重要なのか?長期投資では、わずかなコストの差が大きな差になります。

具体例で考えてみよう

100万円を年利5%で20年間運用した場合(信託報酬の違いによる影響):

  • 信託報酬0.08%の場合:約257万円
  • 信託報酬0.5%の場合:約239万円
  • 信託報酬1.0%の場合:約219万円

信託報酬が0.08%と1.0%では、20年後に約38万円の差が生まれます。低コストの重要性がわかりますね。

メリット2:圧倒的な純資産総額と流動性

純資産総額は約10.18兆円(2026年1月時点)で、国内公募投資信託(ETF除く)として初めて10兆円を突破しました。純資産総額が大きいことには、以下のメリットがあります:

  • 繰上償還リスクが極めて低い:ファンドが途中で運用を終了してしまうリスクがほぼない
  • 効率的な運用が可能:規模が大きいほど運用コストを抑えやすい
  • 多くの投資家に支持されている証拠:実績と信頼性の裏付け

メリット3:S&P500の長期的な成長力

S&P500指数は、過去数十年にわたり長期的に右肩上がりで成長してきました。2025年は通年で16.39%上昇し、過去3年間のトータルリターンは+86.11%(年率23.01%)を記録しています。

もちろん、過去の実績は将来を保証するものではありませんが、米国経済の成長力と世界をリードするイノベーション企業への投資は、長期的な資産形成において魅力的な選択肢の一つです。

メリット4:新NISAの両枠で投資可能

つみたて投資枠・成長投資枠の両方で購入できるため、年間最大360万円まで非課税で投資可能です。長期投資との相性が良く、非課税メリットを最大限に活かせます。

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メリット5:100円から積立投資が可能

多くのネット証券では100円から購入できるため、投資初心者でも気軽に始められます。毎月の積立金額も自由に設定でき、家計の状況に合わせて調整できます。

デメリット|知っておくべきリスクと注意点

デメリット1:米国一国への集中投資

このファンドは米国株式のみに投資するため、米国経済が低迷すれば大きな影響を受けます。全世界に分散投資する「オルカン」などと比較すると、地理的な分散効果は限定的です。

初心者向け用語解説

「オルカン」とは? → eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の愛称。米国だけでなく、日本、欧州、新興国など全世界の株式に分散投資できます。

デメリット2:為替変動リスク

為替ヘッジなしのため、円高が進むと円換算での資産価値が目減りします。たとえば、米国株が横ばいでも、1ドル=150円から130円に円高が進めば、約13%の評価損が発生します。

デメリット3:大型株中心で中小型株は含まれない

S&P500は時価総額上位500社で構成されるため、成長途上の中小型株は含まれていません。米国株式市場全体(約4,000銘柄)に投資したい場合は、「楽天VTI」や「SBI・V・全米株式」などの全米株式インデックスファンドが選択肢になります。

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デメリット4:配当金は分配されない

このファンドは配当金を再投資する方針のため、定期的な分配金収入を期待する方には向いていません。配当金を受け取りたい場合は、高配当株ファンドやETFを検討してください。

デメリット5:短期的な値動きは大きい

株式100%のファンドのため、短期的には大きく下落する可能性があります。過去には、リーマンショック時に約50%、コロナショック時に約30%の下落を経験しています。短期間で必要になる資金の運用には適していません。

他商品との比較|米国株インデックスファンドを比べてみよう

S&P500や米国株式に投資できる主要なファンドを比較しました。

商品名 信託報酬(税込) 純資産総額 投資対象
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.08140% 約10.18兆円 S&P500(約500社)
楽天・プラス・S&P500 0.077% 約8,000億円 S&P500(約500社)
SBI・V・S&P500 0.0938% 約1.8兆円 S&P500(約500社)
楽天・全米株式(楽天VTI) 0.162% 約1.8兆円 CRSP米国総合(約4,000社)
SBI・V・全米株式(SBI VTI) 0.0938% 約3,500億円 CRSP米国総合(約4,000社)

※純資産総額は2026年1月時点の概算値です。

比較のポイント

  • コスト最重視なら:楽天・プラス・S&P500がわずかに低コスト
  • 純資産総額・実績重視なら:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が圧倒的
  • 中小型株も含めたいなら:楽天VTIやSBI・V・全米株式

信託報酬の差は0.01%程度であり、長期運用では大きな差にはなりにくいため、使いやすさや証券会社のサービスで選んでも問題ありません。

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初心者向けの注意点|よくある誤解を解消

注意点1:「S&P500だけで十分」とは限らない

S&P500は優れた指数ですが、米国一国への集中投資であることを忘れないでください。投資の基本である「分散」を考えると、全世界株式や債券との組み合わせも検討する価値があります。

注意点2:短期的な下落に動揺しない

株式投資には下落がつきものです。20〜30%の下落は数年に一度は起こりうると心得ておきましょう。慌てて売却すると、その後の回復局面の恩恵を受けられません。

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注意点3:余裕資金で投資する

生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)を確保してから投資を始めましょう。すぐに使う予定のあるお金は投資に回さないのが鉄則です。

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注意点4:積立投資を継続することが大切

タイミングを狙った売買よりも、定期的な積立投資を長期間続けることが重要です。相場が下がったときこそ、安く多くの口数を購入できるチャンスです。

ポートフォリオ例|こんな使い方ができます

以下は一例であり、特定のポートフォリオを推奨するものではありません。ご自身のリスク許容度や投資目的に合わせてご検討ください。

例1:シンプルに米国株式100%

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):100%

米国経済の成長に強い期待を持ち、リスクを許容できる方向けのシンプルな構成です。

例2:全世界分散+米国比率アップ

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):70%
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):30%

全世界分散をベースにしつつ、米国の比率を高めたい方向けの構成です。

例3:株式+債券でリスク軽減

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):70%
  • eMAXIS Slim 国内債券インデックス:30%

値動きを抑えたい方向けの構成です。債券を組み合わせることでポートフォリオ全体のリスクを軽減できます。

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よくある質問(FAQ)

Q1. eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はどこで買えますか?

SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券など、主要なネット証券で購入できます。また、一部の銀行窓口でも取り扱いがあります。ネット証券なら購入時手数料が無料で、100円から投資可能です。

Q2. 楽天・プラス・S&P500との違いは何ですか?

どちらもS&P500に連動する低コストファンドです。信託報酬は楽天・プラスがわずかに低い(0.077%)ですが、eMAXIS Slimは純資産総額が10兆円超と圧倒的で、実績も長いです。コストの差は0.004%程度なので、使いやすさで選んでも問題ありません。

Q3. 「オルカン」とどちらがいいですか?

どちらも優れた選択肢で、正解はありません。米国経済の成長に強い期待を持つなら「S&P500」、全世界に分散したいなら「オルカン」です。オルカンも構成の約60%は米国株なので、大きく異なるわけではありません。迷ったら両方に分散投資する方法もあります。

Q4. 為替リスクは心配しなくていいですか?

長期投資では為替変動は平準化される傾向がありますが、短期的には大きな影響を受けることがあります。為替リスクが気になる方は、投資額を分散する、為替ヘッジありの商品を一部組み合わせるなどの方法があります。

Q5. 新NISAでの運用におすすめですか?

新NISAとの相性は良いです。つみたて投資枠・成長投資枠の両方で購入でき、長期の積立投資に適した商品設計になっています。非課税のメリットを活かして、時間を味方につけた資産形成が可能です。

Q6. いつ売却すればいいですか?

基本的には「お金が必要になったとき」が売却のタイミングです。価格が上がったから、下がったからという理由での売買は、長期投資の観点からはおすすめしません。目標金額や使途を決めておき、それに合わせて計画的に取り崩すのが理想的です。

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まとめ

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、業界最低水準のコスト(年率0.08140%以内)で米国を代表する約500社に分散投資できる
  • 純資産総額は国内公募投信初の10兆円超を達成し、多くの投資家から支持されている
  • 新NISAのつみたて投資枠・成長投資枠の両方で購入可能
  • デメリットとして、米国一国への集中投資、為替リスク、配当金の分配なしがある
  • 長期・積立・分散の投資スタイルと相性が良く、初心者にも始めやすい
  • 短期的な下落に動揺せず、余裕資金で長期投資を続けることが重要
  • ポートフォリオの一部として活用し、自分のリスク許容度に合わせた運用を心がける

投資は長い旅のようなものです。焦らず、自分のペースで資産形成を続けていきましょう。

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免責事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。記載されているデータは2026年1月時点の情報であり、最新の情報は各運用会社の公式サイト・運用報告書でご確認ください。

カマタ

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はじめまして、カマタです。
これまで学んできた投資の知識を少しでも誰かの役に立てられればと思い、このブログを始めました。
無理なく続けながら、分かりやすい情報を発信していきます。

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