eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の評価レビュー|メリット・デメリットと初心者向け解説

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、「日本株に幅広く投資したい」「低コストで国内株式ファンドを探している」という方におすすめのインデックスファンドです。信託報酬は年0.143%(税込)と業界最低水準で、TOPIX連動型ファンドの指数連動性ランキングでも首位を獲得しています。

この記事では、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の仕組みから、メリット・デメリット、他の類似商品との比較まで、初心者にもわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の基本的な仕組み
  • 信託報酬0.143%の意味と、実際にかかるコスト
  • TOPIXと日経平均の違い、どちらを選ぶべきか
  • 初心者が気をつけるべきポイント

商品概要:eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)とは

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンドです。東証株価指数(TOPIX)に連動する投資成果を目指して運用されています。

初心者向け解説:インデックスファンドとは?

インデックスファンドとは、特定の「指数(インデックス)」に連動することを目指す投資信託のことです。この場合は「TOPIX」という指数に連動します。ファンドマネージャーが銘柄を選ぶアクティブファンドと比べて、運用コストが低いのが特徴です。

基本情報(2026年1月16日時点)

項目 内容
商品名 eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
運用会社 三菱UFJアセットマネジメント
設定日 2017年2月27日
ベンチマーク TOPIX(東証株価指数・配当込み)
信託報酬(税込) 年0.143%以内
基準価額 28,817円
純資産総額 約5,107億円
購入時手数料 なし(ノーロード)
信託財産留保額 なし
つみたてNISA 対象商品
iDeCo 一部金融機関で取扱あり
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の仕組み図。投資家の資金がファンドを通じてTOPIXマザーファンドに集約され、約1,700銘柄の日本株に分散投資される流れを示す

仕組み:何にどれくらい投資しているの?

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、「TOPIXマザーファンド」を通じて日本の株式に投資しています。TOPIXに採用されているほぼすべての銘柄に分散投資することで、日本株市場全体の動きと連動することを目指しています。

TOPIXとは

TOPIX(東証株価指数)は、東京証券取引所に上場する株式の時価総額を基準にした株価指数です。1968年1月4日の時価総額を100として算出されており、日本経済の動向を示す代表的な指標として広く利用されています。

初心者向け解説:時価総額加重方式とは?

時価総額加重方式とは、会社の規模(時価総額)に応じて投資比率を変える計算方法です。トヨタやソニーなど大企業の影響が大きくなります。一方、日経平均株価は「株価」を基準に計算するため、株価の高い銘柄(値がさ株)の影響を受けやすいという違いがあります。

TOPIXの構成銘柄

2025年2月末時点で、TOPIXの構成銘柄数は約1,694銘柄です。プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3市場から、一定の基準を満たした銘柄が採用されています。

なお、TOPIXは2022年から見直しが進められており、2028年までに構成銘柄数は約1,200銘柄まで減少する見通しです。より流動性の高い銘柄に絞り込むことで、投資対象としての機能性を高める狙いがあります。

組入上位銘柄(2026年1月時点)

順位 銘柄名 業種 比率
1 トヨタ自動車 輸送用機器 約4.5%
2 三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 約2.8%
3 ソニーグループ 電気機器 約2.5%
4 日立製作所 電気機器 約2.3%
5 三井住友フィナンシャルグループ 銀行業 約1.9%

上位5銘柄を合計しても全体の約14%程度であり、日経平均(上位5銘柄で約20%超)と比べて、特定銘柄への集中度が低いことがわかります。

TOPIXと日経平均の違い比較図。TOPIX:約1,700銘柄、時価総額加重、東証3市場。日経平均:225銘柄、株価平均型、プライム市場のみ

業種別構成比率

業種 比率
電気機器 約16%
輸送用機器 約8%
銀行業 約8%
情報・通信業 約7%
化学 約6%
その他 約55%

メリット:eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の5つの強み

メリット1:業界最低水準の信託報酬

信託報酬は年0.143%(税込)と、TOPIX連動型ファンドの中で最低水準です。eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続ける」というコンセプトを掲げており、競合ファンドが値下げすれば追随する姿勢を示しています。

具体例で考えてみよう

100万円を投資した場合、年間の信託報酬は約1,430円です。もし信託報酬が0.5%のファンドを選んでいた場合は年間5,000円かかるため、年間約3,500円の差が生まれます。20年間運用を続けると、この差は複利効果で数万円以上の違いになる可能性があります。

メリット2:TOPIX連動性ランキング首位の実績

2025年12月の日本経済新聞の調査によると、TOPIX連動型インデックスファンドの指数連動性ランキングで首位を獲得しています。過去5年のリターンは配当込みTOPIX(117%)に非常に近く、指数とのズレ(トラッキングエラー)が小さいことが評価されています。

指数連動性が高いということは、ファンドの運用が効率的に行われていることを意味します。

メリット3:約5,100億円の純資産総額

純資産総額は約5,107億円と、TOPIX連動型ファンドの中で最大規模です。純資産総額が大きいファンドには以下のメリットがあります。

  • 運用の安定性が高い
  • 繰上償還(ファンドの運用終了)のリスクが低い
  • 規模の経済により、将来的なコスト削減が期待できる

メリット4:約1,700銘柄への幅広い分散投資

TOPIXは約1,700銘柄で構成されており、日経平均(225銘柄)と比べて圧倒的に多くの銘柄に分散投資できます。これにより、個別銘柄のリスクを抑えつつ、日本株市場全体の成長を捉えることが可能です。

メリット5:購入時手数料・信託財産留保額が無料

購入時手数料も信託財産留保額(解約時に差し引かれる費用)もかかりません。つまり、保有中の信託報酬だけがコストとなるため、長期投資に向いています。

デメリット:知っておくべき3つの注意点

デメリット1:日本市場限定のリスク

このファンドは日本株のみに投資するため、日本経済の影響を強く受けます。日本の少子高齢化や経済成長の鈍化が懸念される中、日本株だけに投資することはリスクの集中につながる可能性があります。

リスク軽減のポイント

日本株ファンドだけでなく、全世界株式やS&P500などの海外株式ファンドと組み合わせることで、地域分散を図ることをおすすめします。

デメリット2:為替の影響を受けにくいが、円安メリットも得られない

日本株のみに投資するため、為替変動の影響を直接受けません。これは安定性というメリットがある一方、円安局面で海外資産が値上がりする恩恵を得られないというデメリットでもあります。

デメリット3:配当金は再投資され、手元には入らない

このファンドは「分配金を出さない方針」で運用されており、組入銘柄からの配当金は自動的に再投資されます。資産を効率的に増やすには有利ですが、「定期的な収入がほしい」という方には向いていません。

配当収入を得たい場合は、ETFタイプの商品を検討してください。

iFreeETF TOPIX(年4回決算型)の評価レビュー|メリット・デメリットと初心者向け解説

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他商品との比較

同じTOPIXに連動するファンドや、日本株に投資できる代表的な商品と比較してみましょう。

TOPIX連動型ファンドの比較

商品名 信託報酬 純資産総額 特徴
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 0.143% 約5,107億円 純資産最大、連動性首位
ニッセイTOPIXインデックスファンド 0.143% 約908億円 DC・iDeCo採用実績豊富
iFree TOPIXインデックス 0.154% 約200億円 大和アセット運用
たわらノーロード TOPIX 0.187% 約150億円 アセマネOne運用

日経平均連動型との比較

項目 TOPIX連動型 日経平均連動型
構成銘柄数 約1,700銘柄 225銘柄
計算方法 時価総額加重 株価平均型
特徴 市場全体をカバー 大型株・値がさ株の影響大
向いている人 日本株全体に投資したい人 日本を代表する大企業に投資したい人

日経平均連動型についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)の評価レビュー|メリット・デメリットと初心者向け解説

eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)の評価レビュー|メリット・デメリットと初心者向け解説

TOPIX連動ファンドのコスト比較図。eMAXIS Slim 0.143%(純資産5,107億円)、ニッセイTOPIX 0.143%(純資産908億円)、iFree 0.154%、たわら 0.187%

初心者向けの注意点

注意点1:「日本株だけ」にならないように

投資初心者の方は、このファンドだけで「日本株への投資は完了」と考えがちです。しかし、資産形成においては国際分散投資が重要です。全世界株式やS&P500などと組み合わせることで、より安定したポートフォリオを構築できます。

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注意点2:短期的な値動きに一喜一憂しない

日本株は海外市場や為替の影響を受けやすく、短期的に大きく変動することがあります。インデックス投資の基本は「長期・積立・分散」です。日々の値動きに振り回されず、コツコツと積み立てを続けることが大切です。

注意点3:TOPIX改革の影響を理解しておく

2026年10月から2028年にかけて、TOPIXは構成銘柄の見直しが行われます。流動性の低い銘柄が除外され、構成銘柄数は約1,700から約1,200に減少する見込みです。これにより、より投資対象として機能性の高い指数になることが期待されていますが、短期的には指数の挙動が変わる可能性があります。

ポートフォリオ例

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)をどのように活用できるか、3つのパターンを紹介します。

注意:以下は用途の例であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。

パターン1:日本株比率を高めたい方

  • 全世界株式(オルカン):70%
  • eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX):30%

オルカンの日本株比率(約5%)を補完し、日本株への投資比率を高めたい場合の例です。

パターン2:国内・海外を均等に投資したい方

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):50%
  • eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX):50%

米国株と日本株を半々で保有したい場合のシンプルな構成です。

パターン3:4資産均等型に近い運用をしたい方

  • 日本株(TOPIX):25%
  • 先進国株:25%
  • 日本債券:25%
  • 先進国債券:25%

株式と債券、国内と海外をバランスよく配分する伝統的なポートフォリオです。

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よくある質問(FAQ)

Q1. eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)はどこで買えますか?

A. SBI証券、楽天証券、マネックス証券など主要なネット証券で購入できます。銀行でも取り扱いがありますが、品揃えや手数料が異なるため、ネット証券での購入をおすすめします。

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Q2. TOPIXと日経平均、どちらを選べばいいですか?

A. 日本株市場全体に幅広く投資したい場合はTOPIX、日本を代表する大企業225社に集中投資したい場合は日経平均がおすすめです。長期の資産形成であれば、分散効果の高いTOPIXが一般的に適しているとされています。

Q3. 新NISAのつみたて投資枠で買えますか?

A. はい、つみたてNISAの対象商品です。新NISAのつみたて投資枠でも購入可能です。非課税枠を活用した長期投資に向いています。

Q4. 分配金はありますか?

A. 分配金を出さない方針で運用されています。組入銘柄からの配当金は自動的にファンド内で再投資されるため、複利効果を得やすい仕組みになっています。

Q5. いくらから投資できますか?

A. 多くのネット証券では100円から購入可能です。少額から始めて、徐々に投資額を増やしていくことができます。

Q6. eMAXIS Slimと無印のeMAXISの違いは?

A. eMAXIS Slimは「業界最低水準のコスト」を目指すシリーズです。無印のeMAXISよりも信託報酬が大幅に低く設定されています。同じ指数に連動するなら、eMAXIS Slimを選ぶのが合理的です。

まとめ

  • eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、信託報酬0.143%で業界最低水準のコスト
  • TOPIX連動性ランキング首位の実績があり、運用の質が高い
  • 純資産総額は約5,107億円と国内最大規模で、安定性がある
  • 約1,700銘柄に分散投資でき、個別銘柄リスクを抑えられる
  • 日本株のみに投資するため、海外株式との組み合わせがおすすめ
  • 分配金は出さず再投資されるため、長期の資産形成に向いている
  • 新NISAのつみたて投資枠で購入可能

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や売却を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。

本記事に記載されているデータは2026年1月16日時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。投資を検討される際は、必ず各運用会社の公式サイトや目論見書で最新情報をご確認ください。

投資には元本割れのリスクがあります。過去の運用実績は将来の成果を保証するものではありません。

カマタ

カマタ

はじめまして、カマタです。
これまで学んできた投資の知識を少しでも誰かの役に立てられればと思い、このブログを始めました。
無理なく続けながら、分かりやすい情報を発信していきます。

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