eMAXIS Neo 自動運転の評価レビュー|メリット・デメリットと初心者向け解説

自動運転車と自動運転技術のイメージ

データ参照日:2025年12月

冒頭サマリ(結論)

eMAXIS Neo 自動運転は、自動運転技術に関連する企業に投資するテーマ型インデックスファンドです。成長性の高いテクノロジーセクターに投資したい方、特に自動運転という革新的テーマに将来性を感じる方に適しています。

ただし、テーマ型ファンドのため値動きが大きく、経費率も0.792%程度とインデックスファンドとしてはやや高めです。初心者の方は、ポートフォリオの5〜10%程度に留め、コア資産(全世界株式やS&P500など)と組み合わせることをおすすめします。

重要なポイント:

  • 自動運転関連企業という成長テーマに特化した投資が可能
  • Tesla、Waymo(Google)、半導体メーカーなど幅広い関連企業に分散投資
  • 値動きが大きいため、リスク許容度が高い投資家向け
  • 長期的な技術革新に投資したい方に向いている
  • コア資産の補完として少額から始めることを推奨

商品概要

商品名:eMAXIS Neo 自動運転
運用会社:三菱UFJアセットマネジメント
設定日:2018年7月31日
投資対象:自動運転技術関連企業の株式(主に米国株式)
ベンチマーク:S&P Kensho Autonomous Vehicles Index(配当込み、円換算ベース)
経費率(信託報酬):年率0.792%程度(税込)
購入時手数料:なし(ノーロード)
信託財産留保額:なし
リスク水準:高(テーマ型・セクター特化型のため値動きが大きい)

eMAXIS Neoシリーズは、三菱UFJアセットマネジメントが提供する革新的テーマに特化した投資信託シリーズです。「Neo(ネオ)」の名の通り、次世代技術や新しい産業トレンドをテーマとしています。自動運転以外にも、ロボット、遺伝子工学、ナノテクノロジー、ドローンなど、様々なテーマの商品があります。

仕組み(投資先・ベンチマーク・構成国・リスク構造)

ベンチマークと指数の特徴

このファンドはS&P Kensho Autonomous Vehicles Indexに連動することを目指します。この指数は、S&P Global社とKensho Technologies社が共同開発したもので、自動運転技術の発展に関わる企業を選定します。

選定基準:

  • 自動運転システムの開発・製造企業
  • センサー技術(LiDAR、レーダー、カメラなど)の提供企業
  • AI・機械学習技術を自動運転に応用する企業
  • 半導体・プロセッサーを提供する企業
  • 高精度地図やソフトウェアプラットフォームの開発企業
  • 電気自動車(EV)メーカー

主な投資先と構成国

投資先は主に米国企業が中心ですが、一部欧州やアジアの企業も含まれます。

項目 内容
主な構成国 米国(約70〜80%)、ドイツ、日本、その他先進国
組入銘柄数 約50〜70銘柄程度(指数に応じて変動)
主な組入企業例 Tesla、NVIDIA、Qualcomm、Intel、Alphabet(Google/Waymo)、通信機器メーカー、センサーメーカーなど
セクター 情報技術、一般消費財(自動車)、資本財など

※具体的な組入銘柄や比率は運用会社の月次レポートで確認できます。

リスク構造

このファンドには以下のリスクがあります:

  • 価格変動リスク:株式市場全体の動向や個別企業の業績に影響されます。テーマ型のため、広範な市場指数よりも値動きが大きくなる傾向があります。
  • 為替リスク:米ドル建て資産が中心のため、円高時には基準価額が下落する可能性があります。
  • テーマ集中リスク:自動運転というテーマに特化しているため、技術開発の遅延や規制の変更、市場の期待外れなどでテーマ全体が不振になると大きく影響を受けます。
  • 流動性リスク:純資産総額が小規模な場合、売買が困難になる可能性があります。
  • 信用リスク:投資先企業の経営破綻リスクがあります。

メリット

1. 自動運転という成長テーマへの投資機会

自動運転技術は、2025年以降商用化が本格化すると予測されています。Waymo(Google系列)は既に米国の複数都市でロボタクシーサービスを商用展開しており、Teslaも完全自動運転機能(FSD)の開発を進めています。市場規模は今後数十兆円規模に成長する可能性があり、長期的な成長が期待できます。

なぜ重要か:自動運転は交通事故の削減、渋滞緩和、高齢者の移動支援など、社会課題の解決につながる技術です。実用化が進めば、関連企業の業績も大きく伸びる可能性があります。

2. 幅広い関連企業に分散投資できる

自動運転には、自動車メーカーだけでなく、AI・半導体企業、センサーメーカー、通信企業など、多様な業種が関わります。このファンドは、自動運転エコシステム全体に分散投資できるため、特定企業の失敗リスクを軽減できます。

なぜ重要か:どの企業が自動運転市場のリーダーになるかは不透明です。Tesla、Waymo、中国のBaiduなど、複数の有力企業に分散することで、技術競争の結果に左右されにくくなります。

3. 少額から購入できる

多くのネット証券では100円から積立投資が可能です。高リスクなテーマ型ファンドですが、少額から始められるため、ポートフォリオの一部として実験的に組み入れることができます。

なぜ重要か:テーマ型投資は魅力的ですが、大きな資金を一度に投入するのはリスクが高すぎます。少額積立なら、リスクを抑えつつ成長テーマに参加できます。

4. 購入時手数料なし(ノーロード)

購入時の手数料がかからないため、積立投資や追加購入の際にコストを気にする必要がありません。

なぜ重要か:購入手数料が3%かかると、投資開始時点で既に3%のマイナスからスタートすることになります。ノーロードなら、投資した金額がそのまま運用に回ります。

5. 技術革新への投資でポートフォリオの多様化ができる

伝統的な株式・債券投資に加えて、テーマ型ファンドを少量組み入れることで、ポートフォリオに「攻め」の要素を追加できます。

なぜ重要か:S&P500や全世界株式インデックスは安定していますが、革新的テーマの成長機会を取り逃す可能性もあります。少額のテーマ型投資は、ポートフォリオのリターン向上に寄与する可能性があります。

デメリット

1. 経費率が高い

信託報酬は年率0.792%程度で、eMAXIS Slimシリーズ(0.1%未満)やS&P500インデックスファンド(0.1%前後)と比べると非常に高いコストです。

リスクの明確化:例えば100万円を10年間運用した場合、経費率0.792%では約8万円のコストがかかりますが、0.1%なら約1万円です。長期投資では、この差が運用成果に大きく影響します。

2. 値動きが非常に大きい(ボラティリティが高い)

テーマ型ファンドは市場全体の指数よりも値動きが激しい傾向があります。短期間で20〜30%以上の価格変動も珍しくありません。

リスクの明確化:自動運転技術への期待が高まれば大きく上昇しますが、技術開発の遅延、事故の発生、規制強化などのネガティブニュースがあれば急落するリスクがあります。精神的な負担が大きいため、値動きに動揺しない覚悟が必要です。

3. テーマが廃れるリスク

自動運転技術は現在注目されていますが、技術的なブレークスルーが遅れたり、法規制が厳しくなったりすれば、市場の期待が急速に冷める可能性があります。

リスクの明確化:過去には「バイオテクノロジー」「3Dプリンター」「ブロックチェーン」など、一時的にブームになったテーマが期待外れに終わった例もあります。自動運転も同様のリスクがあることを理解しておく必要があります。

4. 分配金が出ない(再投資型)

このファンドは分配金を出さず、運用益を再投資する設計です。定期的なキャッシュフローを期待する投資家には向いていません。

リスクの明確化:長期的な資産形成には適していますが、退職後の生活費として定期的な収入を得たい方には不向きです。

5. 過去のパフォーマンスが保証されない

テーマ型ファンドは、市場の期待が高まっている時期には大きく上昇しますが、期待が剥落すると長期間低迷することもあります。

リスクの明確化:「過去5年間で2倍になった」というデータを見て投資しても、今後も同じように上昇するとは限りません。むしろ、高値掴みになるリスクもあります。

他商品との比較

eMAXIS Neo 自動運転と、類似のテーマ型・テクノロジー系ファンドを比較します。

ファンド名 投資対象 経費率(年率) リスク水準 特徴
eMAXIS Neo 自動運転 自動運転関連企業 0.792% 自動運転テーマに特化。Tesla、Waymo関連企業など
ニッセイSOX指数インデックスファンド 米国半導体株 0.18%程度 半導体セクターに特化。NVIDIA、AMDなど。コストが低い
iFreeNEXT FANG+インデックス FANG+銘柄(米国テック大手10社) 0.7755% Google、Apple、Tesla、Metaなど大手テック企業に集中投資
eMAXIS NASDAQ100インデックス NASDAQ100(米国テック株上位100社) 0.44% 中〜高 幅広いテック企業に分散。バランスが良い
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 米国大型株500社 0.09372% 最も低コストで分散が効いている。テーマ性は低い

比較のポイント:

  • コスト重視なら、ニッセイSOXやeMAXIS Slim S&P500が優れています。
  • 自動運転テーマに強い関心があるなら、eMAXIS Neo 自動運転が最適です。
  • テクノロジー全般に投資したいなら、NASDAQ100やFANG+が分散効果が高いです。

初心者向けの注意点

誤解されやすいポイント

誤解1:「自動運転は未来の技術だから確実に儲かる」
現実:技術的な実現可能性と投資リターンは別問題です。自動運転が実用化されても、競争激化や規制でマージンが低下し、株価が上がらないこともあります。

誤解2:「Teslaに投資したいからこのファンドを買う」
現実:このファンドはTesla以外にも多数の企業に分散投資します。Teslaの比率が高いとは限らず、指数の構成次第で変動します。特定企業への投資を希望するなら、個別株を買う方が良いでしょう。

誤解3:「テーマ型ファンドは長期保有に向いている」
現実:テーマ型ファンドは、テーマが注目されている期間は好調ですが、期待が剥落すると長期低迷する可能性があります。定期的に見直しが必要です。

誤解4:「積立NISAで購入できる」
現実:eMAXIS Neo 自動運転は、つみたてNISA対象外です。新NISA(成長投資枠)または特定口座・一般NISAで購入できます。

初心者が気を付けるべきこと

  • ポートフォリオの5〜10%以内に抑える:テーマ型ファンドはリスクが高いため、資産全体の一部に留めるべきです。
  • コア資産を優先する:まずはS&P500や全世界株式インデックスなど、分散が効いた低コストファンドをコアに据え、その上でサテライトとしてテーマ型を少量加えましょう。
  • 短期的な値動きに一喜一憂しない:テーマ型ファンドは値動きが激しいため、日々の価格変動を気にしすぎるとストレスになります。長期的な視点を持ちましょう。
  • 定期的に見直す:テーマの旬が過ぎたと感じたら、無理に保有し続ける必要はありません。年1回程度、ポートフォリオを見直しましょう。

ポートフォリオ例

以下は、eMAXIS Neo 自動運転を組み入れたポートフォリオの例です。※あくまで用途の例であり、推奨ではありません。

例1:バランス重視型(初心者向け)

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):70%
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):20%
  • eMAXIS Neo 自動運転:5%
  • eMAXIS Slim 先進国債券インデックス:5%

考え方:コア資産で安定した分散を確保しつつ、少額でテーマ型に挑戦。

例2:積極型(リスク許容度が高い投資家向け)

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):50%
  • eMAXIS NASDAQ100インデックス:30%
  • eMAXIS Neo 自動運転:10%
  • ニッセイSOX指数インデックスファンド:10%

考え方:米国テクノロジー株に重点を置き、自動運転と半導体という成長テーマを組み合わせる。

例3:サテライト特化型(上級者向け)

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):80%(コア資産)
  • eMAXIS Neo 自動運転:5%
  • eMAXIS Neo ロボット:5%
  • eMAXIS Neo 遺伝子工学:5%
  • eMAXIS Neo ドローン:5%

考え方:複数の次世代テーマに分散してサテライト部分を構成。

よくある質問(FAQ)

Q1. eMAXIS Neo 自動運転はつみたてNISAで買えますか?

A. いいえ、つみたてNISA対象外です。新NISA(成長投資枠)または特定口座で購入できます。つみたてNISAは金融庁が定めた基準(低コスト、分散投資など)を満たす商品に限定されており、テーマ型ファンドは基本的に対象外です。

Q2. 自動運転技術が実用化されたら株価は上がりますか?

A. 必ずしもそうとは限りません。株価は「将来の期待」を織り込んで動くため、実用化が既に市場の予想通りであれば、「材料出尽くし」で株価が下がることもあります。また、実用化後に競争が激化し、利益率が低下する可能性もあります。

Q3. TeslaとWaymoのどちらが有利ですか?

A. 2025年現在、Waymoは高精度センサーと限定地域での完全無人運転を実現しており、技術的には先行しています。一方、Teslaはカメラのみのシステムでコストを抑え、広範囲での展開を目指しています。どちらが最終的に勝者となるかは不透明です。このファンドは両方に関連する企業に分散投資するため、特定企業の勝敗に賭ける必要はありません。

Q4. 経費率0.792%は高すぎませんか?

A. 広範な市場指数に連動するインデックスファンド(0.1%前後)と比べると高いですが、テーマ型・アクティブファンドとしては一般的な水準です。高い経費率を上回るリターンが得られるかどうかは、テーマの成長次第です。コストを重視するなら、低コストのS&P500やNASDAQ100を選ぶべきです。

Q5. いつ売却すればいいですか?

A. 明確な正解はありませんが、以下のような状況では売却を検討すべきです:

  • 自動運転技術の開発が大幅に遅延し、商用化の見通しが立たなくなった
  • 規制強化で自動運転ビジネスが困難になった
  • 大きな利益が出て、リスクを減らしたい
  • 他の投資機会がより魅力的に感じる

年1回程度、ポートフォリオを見直す習慣をつけましょう。

Q6. 自動運転ファンドと半導体ファンドはどちらが良いですか?

A. 目的によります。自動運転ファンドはテーマが狭く、値動きが大きいです。半導体ファンド(例:ニッセイSOX)は、自動運転以外にもAI、データセンター、スマートフォンなど幅広い用途があり、やや分散が効いています。また、半導体ファンドの方がコストも低い傾向があります。迷うなら、半導体ファンドの方が初心者には扱いやすいでしょう。

まとめ

  • eMAXIS Neo 自動運転は、自動運転技術に特化したテーマ型インデックスファンドです。
  • Tesla、Waymo関連企業、半導体メーカーなど、自動運転エコシステム全体に分散投資できます。
  • 成長性は高いが、値動きが大きく、経費率も0.792%とやや高めです。
  • つみたてNISA対象外。新NISA(成長投資枠)または特定口座で購入可能です。
  • ポートフォリオの5〜10%以内に留め、コア資産(S&P500、全世界株式など)と組み合わせるのが賢明です。
  • テーマが廃れるリスクがあるため、定期的な見直しが必要です。
  • 短期的な値動きに動揺せず、長期的な視点で保有することが大切です。
  • 初心者はまず低コストの広範な指数に投資し、余裕資金でテーマ型を試すべきです。

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の投資商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は自己責任で行ってください。投資信託は元本が保証されておらず、運用成果によっては損失が発生する可能性があります。

記事中のデータおよび情報は、2025年12月時点のものです。経費率、ベンチマーク、組入銘柄などは変更される場合があります。最新情報は運用会社の公式サイトや目論見書でご確認ください。

投資を行う際は、必ず目論見書や契約締結前交付書面を確認し、内容を十分に理解した上で判断してください。不明な点があれば、金融機関や専門家にご相談ください。

カマタ

カマタ

はじめまして、カマタです。
これまで学んできた投資の知識を少しでも誰かの役に立てられればと思い、このブログを始めました。
無理なく続けながら、分かりやすい情報を発信していきます。

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