この記事で分かること
- 住民税非課税世帯の定義と判定基準
- 非課税世帯が受けられる給付金や支援制度
- 自分の世帯が対象かどうかの確認方法
- 2026年度からの税制改正による基準変更
結論:住民税非課税世帯とは何か、この記事で理解できること
住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税の所得割と均等割のどちらも課税されない世帯のことです。一定以下の所得であれば、住民税が非課税となり、国や自治体からの給付金や各種支援制度が受けられる可能性があります。
この記事では、住民税非課税世帯になる基準、非課税世帯が受けられるメリットや給付金制度、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。2025〜2026年度には住民税非課税世帯を対象とした給付金が実施されており、制度を正しく理解することで、家計の負担軽減につながります。
「自分の世帯は対象になるのか」「どんな支援が受けられるのか」といった疑問を持つ方にとって、今日から役立つ情報をお届けします。
住民税非課税世帯の基本:仕組みと判定基準
住民税とは何か
住民税とは、都道府県や市区町村に納める地方税のことで、地域の行政サービスを支える財源となります。住民税には2つの種類があります。
- 所得割:前年の所得に応じて計算される税金(所得が多いほど高くなる)
- 均等割:所得に関係なく一律に課される税金(年間約5,000円程度)
初心者向け用語解説
「所得割」とは? → 収入から必要経費を引いた「所得」に対してかかる税金です。収入が増えると税額も増えます。
「均等割」とは? → 所得に関係なく、住民全員に同じ金額がかかる税金です。東京23区の場合、特別区民税3,000円+都民税1,000円+森林環境税1,000円=年間5,000円です。
この2つの税金がどちらも課税されない状態が「住民税非課税」です。
住民税非課税世帯の定義
住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税の所得割と均等割のどちらも課税されない世帯を指します。つまり、世帯の中に1人でも住民税が課税される人がいれば、非課税世帯にはなりません。
住民税が非課税になる基準は、居住する自治体や世帯構成によって異なりますが、基本的には一定以下の所得であることが条件となります。

住民税が非課税になる所得基準
住民税が非課税になる基準は、以下のような条件に該当する場合です。
【均等割も所得割も非課税になる条件(主な例)】
- 生活保護を受けている場合
- 障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下の場合
- 前年の合計所得金額が一定額以下の場合(自治体により異なる)
【合計所得金額の基準目安(東京23区の場合)】
| 世帯構成 | 合計所得金額の基準(年間) | 給与収入の目安 |
|---|---|---|
| 単身者(扶養家族なし) | 45万円以下 | 100万円以下 ※2026年度から110万円以下 |
| 夫婦2人世帯(扶養1人) | 101万円以下 | 約156万円以下 |
| 夫婦+子ども1人(扶養2人) | 136万円以下 | 約205万円以下 |
| 夫婦+子ども2人(扶養3人) | 171万円以下 | 約255万円以下 |
※自治体により基準が異なる場合があります。詳しくはお住まいの市区町村にご確認ください。

2026年度からの税制改正について
2025年税制改正により、2026年度から給与所得控除の最低額が55万円から65万円に引き上げられました。これにより、単身者の住民税非課税ラインは給与収入ベースで100万円から110万円に引き上げられます。2025年1月〜12月の所得に対して適用され、実際の住民税は2026年6月から課税されます。
合計所得金額とは
合計所得金額とは、給与所得や事業所得、年金所得などすべての所得を合計した金額のことです。ただし、給与収入から給与所得控除を差し引いた後の金額を指します。
具体例で考えてみよう
例:給与収入が100万円の場合(2025年度まで)
- 給与収入:100万円
- 給与所得控除:55万円
- 合計所得金額:100万円 − 55万円 = 45万円
合計所得金額が45万円以下のため、多くの自治体で住民税が非課税になります。
例:給与収入が110万円の場合(2026年度から)
- 給与収入:110万円
- 給与所得控除:65万円(引き上げ後)
- 合計所得金額:110万円 − 65万円 = 45万円
2026年度からは給与収入110万円以下で非課税となります。
住民税非課税世帯のメリット・デメリット
メリット:受けられる支援制度
住民税非課税世帯には、さまざまな支援制度が用意されています。主なメリットは以下の通りです。
- 国民健康保険料・介護保険料の減免:自治体によっては保険料が減額または免除される
- 高額療養費制度の自己負担上限額が低い:医療費が高額になった場合の負担が軽減される
- 子どもの保育料が無料または減額:認可保育園の保育料が免除されることがある
- 大学の授業料減免制度:高等教育の修学支援新制度により、授業料が減免される可能性がある
- 給付金の受給対象:政府や自治体が実施する経済対策の給付金が受け取れる
- NHK受信料の全額免除:生活保護受給世帯などは免除対象となる(条件あり)

初心者向け用語解説
「高額療養費制度」とは? → 1ヶ月の医療費が一定額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。住民税非課税世帯は自己負担の上限額が低く設定されています。
デメリット:考慮すべき点
住民税非課税世帯であることにデメリットはほとんどありませんが、以下の点は理解しておきましょう。
- 所得が低いことが前提:非課税世帯になるには所得が一定以下である必要があるため、収入自体が少ない状況です
- 住宅ローン控除などの恩恵が受けられない:所得税や住民税を納めていないため、税額控除の恩恵を受けることができません
- 社会的信用の面での影響:クレジットカードやローンの審査では所得が重視されるため、審査に影響する可能性があります
給付金制度:住民税非課税世帯が受け取れるお金
2025〜2026年度の給付金制度
物価高騰による負担増をふまえ、住民税非課税世帯を対象とした給付金が実施されています。
【令和7年度(2025年度)の主な給付金】
| 対象世帯 | 給付額 | 備考 |
|---|---|---|
| 住民税均等割非課税世帯 | 1世帯あたり3万円 | 世帯単位での支給 |
| 住民税均等割のみ課税世帯 | 1世帯あたり1万円 | 所得割は非課税の世帯 |
※子ども加算がある場合は、子ども1人につき追加で支給される場合もあります(制度により異なります)。
自治体独自の給付金もチェック
国の給付金に加えて、自治体独自の給付金を実施している場合もあります。お住まいの自治体のホームページや広報誌を確認しましょう。
給付金の申請について
給付金は多くの場合、申請が必要です。自治体から届く案内に従って申請手続きを行いましょう。申請期限を過ぎると受け取れなくなることもあるため、早めの確認が大切です。
注意点・よくある誤解
世帯全員が非課税である必要がある
住民税非課税世帯の対象となるには、世帯全員が住民税非課税である必要があります。たとえば、夫婦のうち一方が働いていて住民税を納めている場合、もう一方が非課税であっても「住民税非課税世帯」とはみなされません。
具体例で考えてみよう
ケース1:夫が会社員(年収300万円)、妻が専業主婦
→ 夫に住民税が課税されるため、非課税世帯にはなりません
ケース2:夫婦ともに無職または低収入
→ 世帯全員が非課税基準を満たせば、非課税世帯になります
前年の所得で判定される
住民税は前年の所得に基づいて計算されます。たとえば、2025年度の住民税は2024年1月〜12月の所得をもとに決定されます。そのため、現在無職であっても、前年に一定以上の所得があれば住民税が課税されることがあります。
給付金の対象は制度ごとに異なる
政府や自治体が実施する給付金制度は、それぞれ対象条件が異なります。住民税非課税世帯であっても、基準日(特定の日時点で非課税であること)が設定されている場合や、すでに他の給付金を受け取っている場合は対象外となることがあります。
制度は将来変わる可能性がある
住民税の非課税基準や給付金制度は、法改正や経済状況によって変更される可能性があります。最新の情報は、必ずお住まいの自治体や政府の公式サイトでご確認ください。
なお、2027年度以降には「給付付き税額控除」制度の導入が検討されており、既存の給付金制度や住民税非課税制度との統合・調整が行われる可能性があります。
具体例:数字で見る住民税非課税世帯
ケース1:単身者(アルバイト・パート)
前提条件
- 年齢:25歳
- 給与収入:年間96万円(月8万円)
- 扶養家族:なし
計算(2025年度まで)
- 給与所得控除:55万円
- 合計所得金額:96万円 − 55万円 = 41万円
結果
合計所得金額が45万円以下のため、住民税は非課税となります。
ケース2:夫婦2人世帯(扶養1人)
前提条件
- 世帯主:会社員
- 給与収入:年間150万円
- 配偶者:専業主婦(収入なし)
計算
- 給与所得控除:55万円
- 合計所得金額:150万円 − 55万円 = 95万円
結果
合計所得金額が101万円以下のため、住民税は非課税となります。配偶者も収入がないため、世帯全体が非課税世帯となります。
ケース3:夫婦+子ども2人世帯(扶養3人)
前提条件
- 世帯主:会社員
- 給与収入:年間250万円
- 配偶者:パート(年間80万円)
- 子ども:2人(扶養対象)
計算(世帯主)
- 給与所得控除:250万円 × 0.3 + 8万円 = 83万円
- 合計所得金額:250万円 − 83万円 = 167万円
結果
合計所得金額が171万円以下のため、世帯主は住民税非課税となります。配偶者のパート収入80万円も給与所得控除55万円を引くと25万円となり非課税です。よって、世帯全体が住民税非課税世帯となります。
給付金シミュレーション
住民税非課税世帯として給付金を受け取った場合の例です。
| 世帯構成 | 基本給付金 | 備考 |
|---|---|---|
| 単身世帯 | 3万円 | 世帯単位での支給 |
| 夫婦2人世帯 | 3万円 | 世帯単位での支給 |
| 夫婦+子ども2人世帯 | 3万円+子ども加算 | 加算額は制度により異なる |
※子ども加算がある場合は、子ども1人につき追加で支給される場合もあります(制度により異なります)。
今日からできるアクションプラン
1. 自分の世帯が非課税かどうか確認する
まずは、お住まいの市区町村から送られてくる「住民税課税決定通知書」を確認しましょう。会社員の方は毎年5〜6月頃に勤務先から受け取ります。通知書に「非課税」と記載があれば、住民税非課税世帯の可能性があります。
世帯全員が非課税かどうか不明な場合は、市区町村の税務課に問い合わせることもできます。
2. 給付金の情報をチェックする
政府や自治体が実施する給付金制度は、定期的に発表されます。お住まいの自治体の公式サイトや広報誌を定期的に確認し、給付金の対象になっているか確認しましょう。
給付金は申請が必要な場合が多いため、申請期限を逃さないように注意してください。
3. 減免制度を活用する
住民税非課税世帯は、国民健康保険料や介護保険料の減免制度が利用できる場合があります。自治体の窓口で相談し、減免申請を行いましょう。
また、子どもがいる世帯は保育料の減免や、高校・大学の授業料減免制度も確認してください。
4. 家計の見直しを行う
住民税非課税世帯である場合、家計の収入が限られている可能性があります。固定費の見直しや、支出の優先順位を見直すことで、生活の安定につながります。
具体的には、以下のような見直しが効果的です。
- 通信費の見直し(格安SIMへの乗り換え)
- 保険の見直し(不要な保険を解約)
- サブスクリプションの整理
5. 将来の収入アップを目指す
住民税非課税世帯であることは一時的な状態かもしれません。スキルアップや資格取得、副業などを通じて、将来的に収入を増やすことを検討しましょう。
自治体によっては、職業訓練や就労支援制度も用意されています。ハローワークや自治体の相談窓口を活用してみてください。
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確定申告が必要な人と不要な人|会社員も知っておくべき申告のメリットと手続き
よくある質問(FAQ)
Q1. 住民税非課税世帯かどうかはどうやって確認できますか?
A. 市区町村から届く「住民税課税決定通知書」で確認できます。会社員の方は5〜6月頃に勤務先から受け取ります。不明な場合は、市区町村の税務課に問い合わせることもできます。
Q2. 夫婦共働きでも住民税非課税世帯になれますか?
A. 可能ですが、夫婦それぞれの所得が非課税基準以下である必要があります。どちらか一方でも基準を超えていれば、非課税世帯にはなりません。
Q3. 年金収入だけの場合、住民税は非課税になりますか?
A. 65歳以上で年金収入のみの場合、単身者で年金収入155万円以下であれば住民税非課税となる場合が多いです。ただし、自治体により基準が異なるため、お住まいの市区町村にご確認ください。
Q4. 給付金は申請しないともらえないのですか?
A. 多くの給付金は申請が必要です。自治体から届く案内に従って申請手続きを行ってください。申請期限があるため、早めの確認と手続きをおすすめします。
Q5. 住民税非課税世帯だと、新NISAは使えないのですか?
A. いいえ、新NISAは住民税の課税・非課税に関係なく利用できます。非課税世帯であっても、投資で得た利益は新NISAの非課税枠内であれば税金がかかりません。
Q6. 2026年度から非課税の基準が変わると聞きましたが、どう変わりますか?
A. 2025年税制改正により、2026年度から給与所得控除の最低額が55万円から65万円に引き上げられます。これにより、単身者の住民税非課税ラインは給与収入ベースで100万円から110万円に引き上げられます。
まとめ
- 住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税の所得割と均等割のどちらも課税されない世帯のこと
- 非課税になる基準は自治体や世帯構成により異なるが、一定以下の所得であることが条件
- 非課税世帯は、給付金や保険料の減免、子どもの保育料無料など多くの支援制度が利用できる
- 世帯全員が非課税である必要があり、前年の所得で判定される点に注意
- 2025〜2026年度には住民税非課税世帯に給付金が支給される(申請が必要な場合が多い)
- 2026年度からは税制改正により、単身者の非課税ラインが給与収入100万円から110万円に引き上げ
- 自分の世帯が非課税かどうかを確認し、給付金や減免制度を積極的に活用しましょう
- 制度は変更される可能性があるため、最新情報を自治体の公式サイトで確認することが大切
住民税非課税世帯の制度を正しく理解し、利用できる支援制度を活用することで、家計の負担を軽減できます。できるところから一歩ずつ、家計管理を進めていきましょう。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の税務アドバイスや個別の判断を行うものではありません。住民税の課税・非課税の判定や給付金の受給資格については、お住まいの市区町村や税務署にご確認ください。制度内容は変更される可能性があるため、最新情報を公式サイトでご確認ください。
参考リンク: