情報の海で溺れかけた朝
投資を始めて3ヶ月ほど経った頃のことです。毎朝、コーヒーを淹れながらスマホで投資の情報を見るのが日課になっていました。
「米国株が良い」「いや、全世界株式だ」「高配当株も捨てがたい」「インデックスファンド一択」「アクティブファンドの方が…」
YouTube、ブログ、SNS。どれも説得力があって、どれも正しそうに見えました。気づけば朝の2時間が情報収集だけで終わり、結局何も決められないまま昼を迎えていたのです。
その日、ふと手を止めて思いました。「私は一体、何がしたかったんだろう」と。
情報が多すぎると、本質が見えなくなる
投資の勉強は大切です。でも、勉強しすぎて動けなくなるのは本末転倒だと気づきました。
私が投資を始めた理由はシンプルでした。定年後の生活を少しでも豊かにしたい。それだけだったんです。
それなのに、いつの間にか「どの投資法が最適か」「どの銘柄が一番良いか」という細かい比較に夢中になって、自分の目的を見失っていました。
専門家の意見はそれぞれの視点で正しいのでしょう。でも、彼らの状況と私の状況は違います。年齢も、資産も、リスク許容度も。
投資で大切なのは「自分に合った答え」を見つけること
投資には「絶対の正解」はありません。あるのは「自分にとっての納得できる選択」だけです。
私が最終的に選んだのは、シンプルなインデックス投資でした。理由は3つ。
- 複雑な判断が要らない
- 長期で続けやすい
- 自分が理解できる範囲で運用できる
これは私にとっての答えであって、他の人には別の答えがあるはずです。高配当株でコツコツ配当を楽しむのも、アクティブファンドで市場平均を超える挑戦をするのも、それはそれで素晴らしい選択です。
大切なのは、「なぜその選択をしたのか」を自分の言葉で説明できることだと思います。
迷ったときは、原点に戻る
もしあなたが今、情報の多さに圧倒されているなら、一度立ち止まってみてください。
「自分は何のために投資をするのか」
「どれくらいのリスクなら受け入れられるのか」
「何年先を見据えているのか」
この3つの問いに答えられれば、自然と選択肢は絞られてきます。そして、シンプルな答えほど、長く続けられるものです。
投資は知識の競争ではありません。自分のペースで、自分が納得できる道を歩むことが何より大切です。
まとめ
あの日、情報の海で迷子になった経験は、私にとって大きな学びでした。投資の本質は、複雑な理論を学ぶことではなく、自分の人生に合った選択を続けること。
今も時々、新しい情報に目移りしそうになります。でもそんな時は、あの朝のことを思い出すようにしています。シンプルに、自分らしく。それが私の投資スタイルです。
一緒に、焦らず学んでいきましょう。