「パパ、投資って何?」
それは、ある週末の夜のことでした。小学5年生になる娘が、宿題をしながらふと尋ねてきたんです。
「パパ、投資って何?クラスの友達のお父さんが投資をしてるって話してたんだけど」
私は投資を始めて5年。毎月コツコツと積み立てて、長期投資の大切さも身をもって学んできました。でも、娘のその一言に、私は言葉に詰まってしまったんです。
「投資っていうのは、えっと…お金を増やすこと、かな」
そう答えた瞬間、娘の表情が少し曇ったように見えました。なんだか、自分の答えがしっくりこない。投資を5年続けてきて、それなりに理解しているつもりだったのに、子どもに説明しようとすると、途端に言葉が見つからなくなってしまったんです。
「お金を増やす」だけじゃない何か
娘は納得していない様子で、もう一度聞いてきました。
「お金を増やすって、ギャンブルみたいなこと?」
その言葉にハッとしました。確かに、「お金を増やす」という説明だけでは、投資とギャンブルの区別がつかないかもしれません。
私は少し考えて、こう言い直しました。
「違うよ。投資っていうのは…会社を応援することなんだ。その会社が頑張って、良い商品を作ったり、たくさんの人に喜んでもらったりすると、会社が大きくなる。そうすると、応援した人にもお礼が返ってくる、みたいな感じかな」
娘は少し考えて、「ふーん」と言いました。完全には理解できていないようでしたが、少なくとも「ギャンブル」というイメージは消えたようです。
でも、私自身が気づいたんです。投資を5年続けてきて、いつの間にか「お金を増やすこと」ばかりに意識が向いていたことに。本当は、投資って企業の成長を見守り、社会の発展に参加することなんだと。
投資の本質は「応援」と「成長」
娘との会話をきっかけに、私は投資の本質を改めて考え直しました。
投資は確かにお金を増やす手段ではあります。でも、それだけではないんですよね。投資信託を通じて、私たちは多くの企業に資金を提供しています。その資金で企業は新しい商品を開発したり、雇用を生み出したり、社会に貢献したりしています。
つまり、投資とは:
- 企業の成長を応援すること
- 社会の発展に参加すること
- 自分の未来に備えること
- お金の「ありがとう」の循環を生み出すこと
最近では学校でも金融教育が始まっているそうですが、まだまだ家庭での実践が重要だと感じます。子どもたちに投資を教えるとき、「お金を増やす技術」として教えるのではなく、「社会とのつながり方」として教えることが大切なんだと思います。
子どもに伝えたい、投資の心
その夜、私は娘にもう一度、丁寧に話しました。
「投資っていうのは、自分が応援したい会社にお金を預けて、その会社の成長を見守ることなんだよ。会社が頑張って成長すれば、応援したみんなにもお返しが来る。でも、すぐには結果は出ないし、時には値段が下がることもある。だから、焦らずに、長い目で見守ることが大事なんだ」
娘は真剣に聞いてくれました。そして、こう言ったんです。
「じゃあ、パパは会社を応援してるんだね。すごいね」
その言葉に、私は少し照れくさくなりましたが、同時に投資の意味を改めて確認できた気がしました。
子どもに教えるということは、自分自身を見つめ直すことでもあるんですね。私が投資を続けている理由、それは単にお金を増やすためだけではなく、未来への希望を持ち続けるためなんだと気づきました。
読者のみなさんへ
もし、あなたも家族に投資について聞かれたら、ぜひ「お金を増やす」という言葉だけで終わらせないでください。投資の本質は、社会への参加であり、未来への希望です。
そして、子どもに説明することは、自分自身の投資観を見つめ直す良い機会にもなります。なぜ投資をしているのか、何を目指しているのか。そうした問いに向き合うことで、きっと投資との向き合い方も変わってくるはずです。
焦らず、長い目で。そして、投資を通じて社会とつながっていることを忘れずに。一緒に学んでいきましょうね。
まとめ
子どもに投資を説明しようとして言葉に詰まった夜、私は投資の本質を再確認しました。投資とは単にお金を増やす手段ではなく、企業の成長を応援し、社会の発展に参加することなんだと。
子どもたちに投資を教えるとき、「ギャンブルではない」こと、「長い目で見守ること」の大切さを伝えていきたいですね。そして、そうした対話を通じて、私たち自身も投資の意味を見つめ直すことができます。
投資は、お金だけでなく、未来への希望をつなぐ行為なのだと思います。