税金のことなんて、考えたこともなかった
投資を始めて2年目のある日、職場の同僚との何気ない会話が、私の投資人生を大きく変えることになりました。
「カマタさん、投資してるんですよね?つみたてNISAとか使ってます?」
その質問を受けた瞬間、私は言葉に詰まりました。つみたてNISA?聞いたことはあるけれど、何となく難しそうで、調べもせずに普通の証券口座で投資を続けていたのです。
同僚に詳しく聞いてみると、運用益が非課税になる制度があること、さらにiDeCoという制度を使えば掛金が全額所得控除になることを教えてもらいました。その瞬間、背筋が凍りました。
「もしかして、私、ずっと損してた…?」
制度を知らないことで失っていたもの
その日の夜、私は慌ててつみたてNISAとiDeCoについて調べました。調べれば調べるほど、自分の無知さが恥ずかしくなりました。
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかります。10万円利益が出ても、実際に手元に残るのは8万円程度。私はこの2年間、何も考えずにこの税金を払い続けていたのです。
さらにショックだったのは、iDeCoの存在です。掛金が全額所得控除になるということは、積み立てるだけで所得税や住民税が減るということ。例えば月2万円を積み立てれば、年間で数万円の節税効果があることを知りました。
「なんで誰も教えてくれなかったんだろう」と思いましたが、すぐに気づきました。これは、誰かが教えてくれるのを待つのではなく、自分で調べるべきことだったのだと。
制度を使うということは、国が応援してくれているということ
よく考えてみれば、新NISAやiDeCoは国が用意してくれた制度です。なぜこんな制度があるのか。それは、国が私たちに「自分で将来に備えてほしい」というメッセージを送っているからだと気づきました。
公的年金だけでは老後の生活が厳しくなる可能性がある。だからこそ、税制優遇という形で、私たちの資産形成を後押ししてくれているのです。
新NISAは年間360万円まで投資でき、生涯で1,800万円まで非課税で運用できます。iDeCoは年間の上限は職業によって異なりますが、掛金が全額所得控除になる強力な節税効果があります。
- 新NISA:運用益が非課税、いつでも引き出せる柔軟性
- iDeCo:掛金が所得控除、運用益も非課税、ただし60歳まで引き出せない
どちらも一長一短ですが、自分のライフステージや目的に合わせて使い分けることで、より効率的に資産を増やせるのです。
今からでも遅くない、一緒に学び直しましょう
私はすぐにつみたてNISA口座を開設し、iDeCoの加入手続きも始めました。2年間損をしていたことは取り返せませんが、「今気づけて良かった」と前向きに考えることにしました。
投資を始める前に、まず制度を知ることの大切さを痛感しました。でも、制度は複雑で分かりにくいのも事実です。私も最初は「NISA」と「つみたてNISA」の違いすら分かりませんでした。
大切なのは、「知らないことを恥じるのではなく、今から学べばいい」という気持ちです。
もしあなたが今、普通の証券口座だけで投資をしているなら、一度立ち止まって制度を調べてみてください。もしかしたら、もっと有利に投資できる方法があるかもしれません。
まとめ ー 制度を味方につけて、賢く続けよう
あの日、同僚に声をかけてもらえて本当に良かったと思います。知らないまま10年、20年と投資を続けていたら、どれだけの機会を失っていたことか。
投資は、ただお金を増やすだけのものではありません。制度を知り、活用することで、より効率的に、より安心して資産形成ができるのです。
私たちは投資のプロである必要はありませんが、自分のお金を守り、育てるための最低限の知識は持っておくべきだと思います。一緒に学びながら、焦らず、少しずつ前に進んでいきましょう。制度はちゃんと、私たちの味方をしてくれていますから。