先週の金曜日、私はパソコンの前に座り、証券口座を開いたまま、1時間ほどぼんやりとしていました。
市場は動いている。ニュースでは「今が買い時」だの「調整局面に注意」だのと騒がしい。周りの投資仲間は活発に売り買いしている様子。
でも、私は何もしませんでした。いえ、正確には「何もしないことを選んだ」のです。
何かしなければという焦り
投資を始めたばかりの頃、私は毎日のように証券口座をチェックしていました。株価が上がれば嬉しくなり、下がれば不安になる。そして、何か行動しなければ取り残されるような気持ちになっていたのです。
「このままでいいのだろうか」
「今、何か手を打つべきではないか」
「他の人はもっと賢く動いているのではないか」
そんな思いに駆られて、必要のない売買を繰り返したこともありました。結果、手数料ばかりがかさんで、利益はほとんど残らない。それどころか、落ち着いて保有していれば良かったものまで手放してしまい、後悔したこともあります。
「何もしない」という勇気
ある日、投資の先輩にこう言われました。
「カマタさん、投資は毎日何かする必要はないんですよ。むしろ、何もしない日のほうが多いくらいでいいんです」
最初はピンときませんでした。何もしないなんて、怠けているようで落ち着かない。でも、その言葉の意味を少しずつ理解できるようになったのは、自分の投資スタイルが定まってきてからでした。
長期投資というのは、基本的に「待つこと」が仕事です。種を植えて、水をやって、日の光を当てて、あとは育つのを見守る。毎日掘り返して根っこを確認する必要はないのです。
投資を休むことの意味
投資において「何もしない」とは、決して無関心でいることではありません。それは、冷静に状況を見守り、不要な行動を控えるという積極的な選択です。
市場が騒がしい時ほど、一歩引いて眺める。自分の投資計画を見直し、「今、本当に動くべきか?」と問いかける。そして、必要がなければ何もしない。
これは意外と難しいことです。人間には「何かしなければ」という本能的な衝動があります。特に、周りが動いている時はなおさらです。
でも、投資の世界では、動かないことが最善の一手になることも多いのです。
あなたへのアドバイス
もしあなたが、毎日のように証券口座をチェックして、何か行動しなければと焦っているなら、一度立ち止まってみてください。
- 今、本当に売買する必要があるのか?
- それは計画に沿った行動なのか、それとも感情的な反応なのか?
- 何もしないという選択肢は考えたか?
投資は、毎日頑張るものではありません。時には休むことも大切です。むしろ、休むことで見えてくるものがあります。
焦らず、急がず、自分のペースで。それが長く投資を続ける秘訣だと、私は思っています。
まとめ
何もしない日があってもいい。それは怠けているのではなく、冷静さを保つための大切な時間です。
投資は、毎日が試験ではありません。長い旅路を、自分のペースで歩いていけばいいのです。
今日もあなたの投資が、穏やかな気持ちで続けられますように。一緒に、ゆっくりと学んでいきましょう。