先日、久しぶりに自分の投資口座を開いて、愕然としました。
株式の比率が当初の計画から大きくずれていて、気づけばリスクが高くなっていたのです。「長期投資だから放っておけばいい」と思っていたのですが、それは間違いでした。
今日は、私が学んだ「放置と放任の違い」について、お話ししたいと思います。
気づいたのは半年ぶりの確認だった
投資を始めて2年ほど経った頃のことです。最初は毎月のように口座を確認していたのですが、だんだんと「長期投資なんだから、毎日見なくていい」と思うようになりました。
それ自体は間違っていません。短期的な値動きに一喜一憂するのは、かえって良くないことです。
でも、私の場合は「見なくていい」が「見ない」に変わってしまっていました。気がつけば、半年間も口座を確認していなかったのです。
そして久しぶりに開いた画面で見たのは、当初「株式50%、債券30%、現金20%」と決めていた配分が、「株式65%、債券25%、現金10%」になっている姿でした。
株式市場が好調だったため、株式の評価額が上がり、自然と比率が高くなっていたのです。
放置と放任は違うということ
その時、私は初めて気づきました。「放置」と「放任」は違うのだと。
長期投資では、短期的な値動きに振り回されず「放っておく」ことが大切です。でもそれは、「まったく見ない」「管理しない」ということではないのです。
植物を育てるのと似ています。毎日水をやりすぎても根腐れしますが、かといって何ヶ月も水をやらなければ枯れてしまいます。
投資も同じです。毎日売買する必要はありませんが、定期的に状態を確認し、必要に応じて手入れ(リバランス)をすることが大切なのです。
リバランスの大切さを知った日
私が調べたところ、多くの専門家が「年に1〜2回はポートフォリオを見直すべき」と言っています。
なぜなら、市場の動きによって資産配分は自然と変わってしまうからです。株式が好調な時は株式比率が上がり、結果としてリスクも高くなります。
私の場合も、株式が65%になっていたということは、それだけリスクが高い状態になっていたということです。もしそのタイミングで市場が大きく下落していたら、想定以上の損失を受けていたかもしれません。
その日、私は初めてリバランスというものを実行しました。株式の一部を売却し、債券と現金の比率を元に戻したのです。
正直、株式が好調な時に売るのは少し勇気が要りました。「もっと上がるかもしれない」という気持ちもありました。
でも、それは欲です。投資で大切なのは、自分で決めた方針を守ることなのです。
年に2回、季節の変わり目に見直そう
それからの私は、年に2回、春と秋にポートフォリオを確認することにしました。
毎日見る必要はありません。でも、定期的に状態を確認し、必要に応じて調整する。これが、長期投資を成功させる秘訣だと気づいたのです。
見直しの時には、こんなことをチェックしています:
- 資産配分が当初の計画から大きくずれていないか
- 自分のリスク許容度に変化はないか(年齢や生活状況の変化)
- 投資方針は今の自分に合っているか
大きなずれがあれば調整しますし、なければそのまま。無理に売買する必要はないのです。
投資は「育てるもの」だということ
今では、投資は「ほったらかしにするもの」ではなく、「ゆっくり育てるもの」だと思っています。
毎日世話を焼く必要はありません。でも、時々様子を見て、必要な手入れをする。それが、長く健全に育てるコツなのです。
もしあなたも、口座を久しく見ていないなら、一度確認してみてください。資産配分が大きくずれているかもしれません。
そして、年に1〜2回の見直しを習慣にしてみてください。それだけで、リスクをコントロールしながら、安定した資産運用ができるようになります。
まとめ
長期投資は「放っておく」ことが大切ですが、「放任」してはいけません。
定期的に状態を確認し、必要に応じてリバランスをする。それが、長く安全に投資を続けるための知恵です。
投資は、育てるものです。焦らず、でも見守りながら、一緒にゆっくり育てていきましょう。
今日も、あなたの投資が良い方向に育っていきますように。