朝のコーヒーを淹れながら、いつものようにスマートフォンでニュースをチェックしていた時のことです。「〇〇ショック!株価急落」「専門家が警告する市場の危機」といった見出しが次々と目に飛び込んできました。
思わず手が震えました。自分の保有している投資信託は大丈夫だろうか。すぐに売った方がいいのではないか。そんな不安が一気に押し寄せてきたのです。
焦りの中で気づいたこと
その日、私はいつもより早く証券会社のアプリを開き、保有資産の状況を確認しました。確かに少し下がっていましたが、思っていたほどではありません。でも、ニュースの見出しが頭から離れず、「今すぐ何かしなければ」という焦りに駆られていました。
そんな時、同じく投資を始めた友人から電話がかかってきました。「カマタさん、今朝のニュース見ました?どうします?」彼も同じように不安を感じていたようです。
私たちは近くの喫茶店で会うことにしました。お互いの不安を共有しながら、ふと気づいたことがあります。「そもそも、自分たちは何のために投資を始めたんだっけ?」
投資の軸を見失っていた自分
友人と話しながら、私は自分が投資を始めた時のことを思い出しました。定年後の生活を少しでも豊かにしたい。そのために、長期的にコツコツと資産を育てていこう。そう決めて始めたはずでした。
でも、いつの間にか毎日のニュースに一喜一憂し、短期的な値動きばかりを気にするようになっていたのです。これでは、投資ではなく投機になってしまいます。
友人も同じでした。「そういえば、僕も10年後、20年後のために始めたんでした」と苦笑いしていました。
情報との正しい付き合い方
投資を続けていく上で、情報収集は大切です。でも、すべての情報に反応する必要はありません。むしろ、情報に振り回されることの方が危険だと、その日の経験で学びました。
大切なのは、次の3つだと思います:
- 自分の投資目的を明確にする ー なぜ投資をしているのか、何年後を見据えているのか
- 投資方針を決めておく ー どんな時にどう行動するか、事前にルールを決める
- 短期的なノイズと長期的なトレンドを区別する ー 毎日の値動きではなく、大きな流れを見る
読者の皆さんへ
もし今、ニュースやSNSの情報に振り回されて不安を感じているなら、一度立ち止まって考えてみてください。
あなたが投資を始めた理由は何でしたか?どんな未来を描いていましたか?
情報は道具です。使い方を間違えれば、自分を傷つけることもあります。でも、正しく使えば、より良い判断をするための助けになります。
私自身、あの日の経験以来、朝のニュースチェックは週に2〜3回程度に減らしました。そして、月に一度、自分の投資状況をゆっくり振り返る時間を作るようにしています。
まとめ
情報に振り回されず、自分の投資軸をしっかり持つこと。これは、長期投資を続けていく上で本当に大切なことだと思います。
市場は上がったり下がったりを繰り返します。でも、焦らず、自分の決めた道を歩んでいけば、きっと未来の自分が「あの時続けていて良かった」と思える日が来ると信じています。
一緒に、ゆっくりと、着実に歩んでいきましょう。焦る必要はありません。大切なのは、今日も一歩ずつ前に進むことです。