真っ白なノートを広げた朝
年が明けて間もない、ある静かな朝。コーヒーを淹れて、ダイニングテーブルに座りました。手元には真っ白なノートと、昨年の家計簿アプリの画面。「今年は、投資の予算をちゃんと立てよう」と決めていたのです。
投資を始めてから5年が経ちますが、恥ずかしながら、これまで「余ったお金を投資に回す」というスタイルでした。計画らしい計画はなく、気づいたら積立額が変わっていたり、何となくボーナス時に追加投資をしたり。それでも続けてこられたのは幸運でしたが、どこか「行き当たりばったり」な感覚がずっと心にありました。
新NISAが始まってから2年目を迎えた今、改めて自分の投資を整理したい。そんな想いで、この朝を迎えたのです。
予算を立てることで見えてきたもの
まず、昨年の収入と支出を振り返りました。生活費、貯金、そして投資に回したお金。数字を書き出してみると、思っていた以上に「使途不明金」が多いことに気づきました。決して無駄遣いをしているつもりはないのですが、月によって支出がバラバラで、投資に回せる金額も安定していませんでした。
次に、今年の目標を考えました。「毎月いくら積立投資に回すのか」「ボーナス時はどうするのか」「つみたて投資枠120万円をどう使うのか」。新NISAでは年間最大360万円まで投資できますが、私には無理のない範囲で続けることが大切です。
ノートに書き出した数字を眺めていると、不思議なことに気持ちが落ち着いてきました。計画を立てるということは、未来を少しだけ具体的にすることなんだ、と気づいたのです。
無理のない予算が、続ける力になる
私が決めた今年の投資予算は、こんな感じです。
- つみたて投資枠:毎月7万円(年間84万円)※年間上限120万円には届きませんが、無理のない金額を選びました
- 成長投資枠:ボーナス時に年2回、それぞれ20万円ずつ(合計40万円)
- 生活防衛資金:別に毎月2万円を貯金(投資とは別に確保)
これで年間約124万円の投資になります。もっと増やせるかもしれませんが、大切なのは「続けられること」。今の私にとって、この金額が心地よいバランスだと感じました。
投資における「計画」の本当の意味
投資を始めた頃の私は、「計画」という言葉にどこか堅苦しさを感じていました。もっと自由に、その時々で判断すればいいんじゃないか、と。でも、実際に予算を立ててみて分かったのは、計画は自分を縛るものではなく、迷わないための「道しるべ」だということです。
市場が不安定な時期も、「今月の予算は決まっている」と思えば冷静でいられます。逆に、追加で投資したくなった時も、「ボーナス時の枠を使おう」と事前に決めておけば、衝動的な判断を避けられます。計画があることで、感情に振り回されず、淡々と続けられるのです。
計画は変えてもいい、大切なのは「持っている」こと
もちろん、予算は絶対ではありません。生活環境が変われば、見直す必要もあります。大切なのは、「今の自分にとっての計画を持っている」こと。それがあるだけで、投資との向き合い方が変わります。
投資は、一発逆転を狙うギャンブルではありません。毎日コツコツと、自分のペースで歩み続ける旅のようなもの。その旅に地図があれば、迷っても安心です。
読者の皆さんへ
もしあなたが、「なんとなく投資を続けている」と感じているなら、一度立ち止まって年間の予算を考えてみてください。難しく考える必要はありません。ノート1枚と、少しの時間があればできます。
「毎月いくらなら無理なく続けられるか」「ボーナス時はどうするか」「生活防衛資金はいくら確保するか」。この3つを書き出すだけでも、視界がクリアになるはずです。
計画があると、投資は「不安なもの」から「安心して続けられるもの」に変わります。一緒に、焦らず、自分のペースで歩んでいきましょう。
まとめ
あの朝、ノートに予算を書き出したことで、私の投資への向き合い方は少し変わりました。数字を整理することで、未来が少しだけ具体的になり、心が軽くなったのです。計画は自分を縛るものではなく、迷わず歩むための「道しるべ」。無理のない予算を立てて、淡々と続けていくこと。それが、長期投資で最も大切なことだと、今は確信しています。
新しい年の始まりは、自分の投資を見つめ直す絶好のタイミングです。一緒に、一歩ずつ前に進んでいきましょう。