投資を始めて2年目の冬のことです。その日、私はいつものようにスマホで保有しているファンドの価格をチェックしていました。
「今日も横ばいか……」
ここ数週間、ほとんど動きがありませんでした。増えもせず、減りもせず。毎日確認するたびに、同じような数字が並んでいます。
投資を始めた頃は、毎日価格が動くことに一喜一憂していました。でも、次第に「何もしていない自分」が気になり始めたのです。
SNSを開けば、誰かが新しい銘柄に投資した話、リバランスをした話、利益確定をした話……。みんな何か”行動”しているように見えました。
「自分は積立設定をしているだけで、何もしていない。これでいいのだろうか?」
そんなモヤモヤを抱えながら、投資関連の本を何冊か読み直しました。その中で、ある一文が目に留まりました。
「長期投資において最も大切なのは、何もしないこと」
その瞬間、ハッとしました。
待つことも、立派な”行動”だった
私はずっと勘違いをしていました。投資は「何かをし続けること」だと思い込んでいたのです。
でも、違いました。
インデックス投資のような長期投資では、「待つこと」そのものが重要な戦略なのです。
市場は短期的には上がったり下がったりを繰り返します。でも、長期的に見れば、世界経済の成長とともに資産も増えていく可能性が高い――。それを信じて、ただ積み立てを続け、待つ。
これは「何もしていない」のではなく、「余計なことをしない」という積極的な選択でした。
その日から、私の心は少し軽くなりました。毎日価格をチェックする回数も減りました。焦って売買を繰り返す必要はない。ただ、淡々と積み立てて、待てばいい。
投資初心者こそ「待つ力」が必要
投資を始めたばかりの頃は、誰もが不安です。
- 「このままでいいのかな?」
- 「もっと勉強して、もっと工夫した方がいいんじゃないか?」
- 「他の人はもっと上手にやっているんじゃないか?」
そんな気持ちになるのは当然です。でも、その不安が「無駄な行動」を生んでしまうこともあります。
頻繁に売買を繰り返したり、流行の銘柄に飛びついたり、短期的な値動きに一喜一憂したり……。それらは、長期的に見ると必ずしもプラスにはなりません。
投資の世界では、「何もしないことが最善の行動」という場面が意外と多いのです。
2025年の最新データでも、長期的にインデックス投資を続けた人の多くが、アクティブな売買を繰り返した人よりも良い成績を残していることが報告されています。つまり、待つ力がある人ほど、結果的に資産を増やせる可能性が高いということです。
「待つ」ために大切なこと
とはいえ、ただ漠然と待つのは難しいものです。私自身、何度も「本当にこれでいいのか?」と不安になりました。
そんな時、私が心がけているのは以下の3つです。
1. 自分の投資方針を明確にする
「なぜ投資をしているのか」「いつまで続けるのか」「どんなリスクを取るのか」を最初に決めておくこと。これがブレない軸になります。
2. 短期的な値動きに目を向けすぎない
毎日価格をチェックするのをやめました。月に1回、資産の推移を確認する程度で十分です。情報を遮断する勇気も大切です。
3. 「待つこと」を肯定する
「今日も何もしなかった」ではなく、「今日も余計なことをせずに済んだ」と考えるようにしました。待つことは、立派な投資行動です。
まとめ ー あなたも焦らなくていい
投資を始めたばかりの頃は、何かをし続けなければいけない気がしてしまいます。でも、本当に大切なのは「焦らずに待つこと」です。
行動しないことも、行動のうち。
あなたが今、積立設定をして淡々と続けているなら、それで十分です。むしろ、それが最も賢い選択かもしれません。
市場は短期的には上下しますが、長い目で見れば成長していく可能性が高い。だから、私たちにできることは、信じて待つこと。
一緒に、焦らず、ゆっくりと、資産を育てていきましょう。