投資口座を開設して、つみたてNISAの申し込みも終わった。あとはどの投資信託を買うか決めるだけ──。
そう思っていたのに、僕はその「決める」というたった一つのことができず、1ヶ月もパソコンの前で固まっていました。
画面には5,000本を超える投資信託の一覧。インデックス型、アクティブ型、バランス型、手数料の違い、過去のリターン、純資産総額…。調べれば調べるほど、どれが「正解」なのかわからなくなっていったんです。
完璧な一本を探し続けた日々
最初は「とりあえず人気のある投資信託を選べばいいか」と思っていました。でも調べ始めると、「この銘柄は信託報酬がちょっと高いな」「あっちの方がリターンが良さそう」「でもこっちの方が分散されているかも」と、どんどん深みにはまっていきました。
ネットの記事を読んでは比較し、Youtubeで投資系のチャンネルを見ては悩み、SNSでおすすめされている銘柄をメモしては迷う。気がつけば、毎晩2〜3時間も投資信託の比較サイトとにらめっこする日々が続いていました。
妻からは「まだ決まらないの?」と呆れられ、自分でも「なんでこんなに決められないんだろう」と情けなくなりました。
気づいたのは「完璧な銘柄など存在しない」ということ
ある夜、またパソコンの前で悩んでいると、ふと目に入ったのがこんな言葉でした。
「投資信託は選んでから育てるもの。最初から完璧である必要はない」
はっとしました。僕は「失敗しない完璧な一本」を探していたんです。でも、そんなものは最初から存在しない。どの投資信託にもメリットとデメリットがあって、未来のことは誰にもわからない。
それなのに僕は、「間違えたらどうしよう」「損をしたらどうしよう」という恐怖にとらわれて、一歩も前に進めずにいたんです。
考えてみれば、投資信託を選ぶことより、選んでから続けることの方がよっぽど大切なはず。長期投資は10年、20年の話で、最初の選択が全てを決めるわけじゃない。むしろ、悩んで何もしない時間の方がもったいないんじゃないか──。
そう思ったら、急に肩の力が抜けました。
投資信託選びで大切なのは「シンプルさ」と「一歩踏み出す勇気」
翌日、僕は思い切って決めました。
選んだのは、信託報酬が低く、全世界の株式に分散投資できるインデックス型の投資信託。理由は、シンプルでわかりやすかったから。それだけです。
完璧な選択ではないかもしれない。でも、これで長期的にコツコツ積み立てていけば、きっと未来の自分を助けてくれるはず。そう信じて、初めてのつみたてを設定しました。
設定完了の画面を見た時、不思議と安心感がありました。1ヶ月悩んだことがちょっとバカらしく感じましたが、同時に「やっと始められた」という達成感もありました。
初心者のあなたへ
もしあなたが今、投資信託を選べずに悩んでいるなら、これだけは伝えたいです。
完璧を求めすぎないでください。
投資信託選びに「絶対の正解」はありません。大切なのは、以下の基本を押さえて、一歩を踏み出すことです:
- 信託報酬が低いこと(年0.2%以下が目安)
- 分散投資されていること(全世界株式やバランス型など)
- 長期で保有できる安心感(自分が理解できるシンプルなもの)
この3つを満たしていれば、どれを選んでも大きく失敗することはありません。むしろ、完璧な一本を探して時間を浪費する方が、機会損失になってしまいます。
投資信託は「育てるもの」です。最初の選択がすべてじゃない。始めてから学んでいけばいい。そう思えると、きっと一歩が踏み出せるはずです。
まとめ
あの1ヶ月の悩みは、今では良い思い出です。完璧を求めすぎていた自分に気づけたことは、投資だけでなく人生においても大きな学びになりました。
投資は、完璧な人だけがするものではありません。不安で迷いながらも、一歩ずつ前に進む人のためのものです。
あなたも、今日から始めてみませんか?完璧じゃなくていい。大切なのは、その一歩を踏み出す勇気です。
一緒に、ゆっくりと投資の道を歩いていきましょう。