SNSで見つけた”投資仲間”に憧れた日
投資を始めて2年目の秋、私はふと「投資について話せる仲間がほしいな」と思いました。
普段の生活の中で、投資の話はなかなかしづらいものです。職場でも、友人とも、お金の話はどこかタブーのような空気がある。株価が下がって不安なときも、含み益が出てうれしいときも、一人で抱えているような感覚がありました。
そんなとき、SNSで「投資仲間と情報交換」「みんなで学ぶ投資コミュニティ」といった投稿を目にするようになりました。投資家同士が集まって、銘柄について語り合ったり、市場の動向を共有したりしている様子が、キラキラして見えたんです。
「自分も仲間を作りたい」――そう思った私は、投資系のSNSアカウントをフォローし始め、オンラインコミュニティにも参加してみることにしました。
違和感を感じ始めた”仲間づくり”
最初は楽しかったんです。投資について語れる場所があることが、新鮮でした。
でも、次第に違和感を覚えるようになりました。
コミュニティでは、みんなが「今日はこの銘柄を買った」「この指標を見てる」「こういう戦略で勝った」と活発に発言しています。一方、私は長期でインデックスファンドを淡々と積み立てているだけ。正直、話題についていけない。
そして気づいたら、自分の投資スタイルが”地味”に見えて、劣等感を感じるようになっていました。
「みんなみたいに個別株も買ってみようかな」
「もっとアクティブに動かないと、仲間に入れないかも」
そんな焦りが、心の中に芽生え始めたんです。
さらに、ある日、コミュニティで「〇〇株が急騰した!」という話題で盛り上がっていました。私は持っていなかったので、「乗り遅れた…」と感じてしまい、その銘柄を調べもせずに飛びついてしまったんです。
結果は、言うまでもなく失敗。数日後には株価が下がり、含み損を抱えることになりました。
投資は”人それぞれ”だと気づいた瞬間
失敗した後、私はふと立ち止まりました。
「何のために投資仲間を作ろうとしていたんだろう?」
よく考えてみると、私がほしかったのは「仲間」ではなく「承認」だったのかもしれません。自分の投資スタイルに自信が持てず、誰かに認めてほしかった。だから、周りと同じようにしようとして、自分を見失っていたんです。
そして、もう一つ大切なことに気づきました。
投資は、本当に”人それぞれ”なんだということ。
- リスク許容度も違えば
- 投資目的も違う
- 資金力も、投資経験も、置かれている状況も、みんな違う
だから、誰かと同じ投資スタイルを真似しようとすること自体が、無理があったんです。
「投資仲間を作る」ことが悪いわけではありません。でも、仲間に合わせるために自分の投資スタイルを曲げてしまうのは、本末転倒だと気づきました。
投資は孤独じゃなくていい――でも、距離感が大事
それからの私は、コミュニティとの付き合い方を変えました。
「仲間を作ろう」と頑張るのではなく、「学びの場として活用しよう」と考えるようにしたんです。
たとえば:
- 自分とは違う投資スタイルを知ることで、視野を広げる
- 市場の動向や経済ニュースの解説を参考にする
- でも、最終的な判断は自分で行う
このように、適度な距離感を保つことを心がけました。
また、投資について「誰かと語り合いたい」という気持ちも、少し整理できました。投資は確かに孤独に感じることもありますが、孤独であることが悪いわけではないんです。
自分のペースで、自分のスタイルで、淡々と続けていく。それが私には合っているんだと、今は思えます。
もちろん、信頼できる情報源や、学びの場としてのコミュニティは大切です。でも、「仲間に合わせる」のではなく「自分の投資軸を持ちながら学ぶ」――この姿勢が、初心者の私たちには必要なのかもしれません。
読者のあなたへ――投資の”孤独”を恐れないで
もしあなたが「投資について話せる人がいなくて孤独だな」と感じているなら、それは決して悪いことではありません。
投資は、本来、自分の人生・お金・未来と向き合う、とても個人的な営みです。
SNSやコミュニティで情報を得ることは素晴らしいことですが、誰かと比べたり、無理に仲間を作ろうとする必要はないと思います。
大切なのは:
- 自分の投資目的を明確にすること
- 自分に合った投資スタイルを見つけること
- 周りに流されず、自分の軸を持つこと
コミュニティは、「学びの場」として活用し、でも最後は自分で判断する。そんなスタンスでいいんじゃないかなと、今は思っています。
投資は孤独かもしれないけれど、孤独だからこそ、自分と向き合える。そして、自分のペースで続けていくことが、長期投資では一番大切なんだと、失敗を通して学びました。
まとめ――投資仲間より、まず自分の軸を
投資仲間を作ろうとして失敗した日、私は大切なことを学びました。
それは、投資は”人それぞれ”であり、誰かと同じである必要はないということ。そして、孤独を恐れず、自分の投資軸を持つことの大切さでした。
コミュニティやSNSは、使い方次第で素晴らしい学びの場になります。でも、そこに合わせるために自分を見失ってしまっては、本末転倒です。
これから投資を続けていくあなたも、自分のペースで、自分らしく、焦らずに進んでいってください。
投資の道のりは一人かもしれないけれど、その一歩一歩が、あなただけの大切な学びになっていくはずです。
一緒に、ゆっくり学んでいきましょう。