ある春の朝、口座を開いたときの出来事
投資を始めて半年ほど経った、ある春の朝のことでした。何気なく証券口座を開いてみると、見慣れない数字が目に飛び込んできました。「配当金」という項目に、わずか数百円の金額が記録されていたのです。
その瞬間、私は少し驚きました。株価の上下ばかりに気を取られていた私にとって、この「もらえるお金」の存在を実感したのは初めてだったからです。数百円といえば、喫茶店のコーヒー一杯分にもなりません。でも、その小さな金額が、なぜか心に温かく残りました。
「もらえる」ことの意味に気づいた
株価が下がると不安になり、上がると嬉しくなる。投資を始めた頃の私は、そんな日々の値動きに一喜一憂していました。でも、配当金というのは違います。株価がどうであれ、企業が利益を出していれば、株主である私たちに分けてくれる。それが配当金なんだと、そのとき初めて腑に落ちました。
これは「投資している企業を応援している証」のようなものなんだな、と感じたのです。企業が成長し、利益を出し、その一部を私たちに還元してくれる。この小さな循環が、投資の本質なのかもしれません。
長期投資を続ける「励み」になる
配当金がもたらしてくれたのは、お金そのものよりも「続ける励み」でした。株価が下がって不安な日でも、「この企業は配当を出してくれている」と思えば、少し気持ちが楽になります。焦って売らなくても、持ち続けることで得られるものがあるんだと実感できたのです。
初心者の方にお伝えしたいのは、投資は値上がり益だけではないということです。配当金という「定期的な実り」は、長期投資を続けるための心の支えになってくれます。
- 株価の上下に振り回されず、企業の成長を見守る視点が持てる
- 配当金が再投資の原資になり、複利効果が期待できる
- 「持ち続けること」が苦痛ではなく、前向きな選択になる
読者の皆さんへ ー 小さな一歩を大切に
もしあなたが投資を始めたばかりで、株価の変動に不安を感じているなら、配当金という仕組みにも目を向けてみてください。すべての企業が配当を出すわけではありませんが、配当を出す企業を選ぶことも一つの投資スタイルです。
私も最初は、配当金なんて「おまけ」程度に思っていました。でも今では、この小さな実りが投資を続ける原動力になっています。焦らず、ゆっくりと。企業と一緒に成長していく気持ちで、長い目で投資を楽しんでいきましょう。
まとめ
初めて受け取った数百円の配当金は、私にとって大きな気づきをくれました。投資は値上がりを狙うだけではなく、企業の成長を応援し、その実りを分かち合うものなんだと。
小さな一歩でも、続けていけば大きな力になります。あなたも、焦らずに自分のペースで投資と向き合ってみてください。一緒に学び、一緒に成長していきましょう。