一つの卵を落とした日に学んだこと ー 分散投資の本当の意味

一つの卵を落とした日に学んだこと ー 分散投資の本当の意味

朝、卵を一つ落としてしまった

先週の朝のことです。キッチンで朝食の準備をしていたとき、手が滑って卵を一つ床に落としてしまいました。黄身が床に広がる様子を見ながら、「まあ、一つだけだからいいか」と思ったんです。でも、もしあれが全部の卵を入れたボウルだったら…そう考えたとき、ふと投資のことが頭に浮かびました。

実は、投資を始めた頃の私は「これだ!」と思った一つの銘柄に資金の大半を注ぎ込んでしまったことがあるんです。

「集中投資」という名の賭け

当時は「分散投資」という言葉を知ってはいましたが、正直ピンと来ていませんでした。むしろ「いろんなものに分けたら、儲けも少なくなるんじゃないか」と思っていたんです。だから、調べに調べて「これなら大丈夫」と確信した一つの投資先に、資金の7割ほどを投じました。

最初の数ヶ月は順調でした。価格は上がり続け、「やっぱり集中させて正解だった」と得意になっていました。でも、ある日突然、その投資先の価格が急落したんです。

理由は予期せぬ業界全体の不振。私がどれだけ調べても、外部環境の変化までは読めませんでした。その日、資産全体が大きく目減りし、夜も眠れないほど不安になりました。

「卵は一つのカゴに盛るな」の本当の意味

投資の世界には、こんな格言があります。「卵は一つのカゴに盛るな」。つまり、全ての卵を一つのカゴに入れて運んでいると、そのカゴを落としたときに全部割れてしまう。だから、いくつかのカゴに分けて持ちましょう、という意味です。

これが「分散投資」の本質なんですね。

分散投資とは、ただ複数の銘柄を持つということではありません。異なる性質を持つ資産に分けて投資することです。例えば:

  • 国内と海外
  • 株式と債券
  • 成長性の高いものと安定性の高いもの
  • 異なる業種や地域

こうすることで、一つの投資先が不調でも、他でカバーできる可能性が高まります。朝の卵のように、「一つ落としても大丈夫」な状態を作るんです。

分散投資は「守り」であり「攻め」でもある

初心者の頃の私は、分散投資を「消極的な戦略」だと勘違いしていました。でも今は違います。分散投資は、長く投資を続けるための「守り」であり、同時に市場全体の成長を取り込む「攻め」でもあると理解しています。

急落したあの日、私は慌てて他の資産も見直しました。そして、もっとバランスよく資金を配分し直したんです。それからは、市場が荒れても以前ほど動揺しなくなりました。「ここが下がっても、あちらがある」という安心感が、心を落ち着かせてくれるんです。

これから投資を始めるあなたへ

もしあなたが今、「これだ!」と思う投資先に全力投球しようとしているなら、少し立ち止まってみてください。その情熱は素晴らしいですが、投資は一回の勝負ではなく、長い旅です。

一つのカゴを大切に持つのもいいですが、いくつかのカゴに分けて持つことで、転んでも立ち上がれる余裕が生まれます。その余裕が、長期投資を続ける力になるんです。

おわりに

あの朝、床に落ちた卵を拭きながら、私は投資のことを思い出しました。一つを失っても、他があれば大丈夫。それが分散の力です。

投資に「絶対」はありません。だからこそ、リスクを分けて、ゆっくり着実に歩んでいく。それが、私たちのような普通の人が投資と長く付き合っていく秘訣なのかもしれません。

焦らず、一歩ずつ。一緒に学んでいきましょうね。

カマタ

カマタ

はじめまして、カマタです。
これまで学んできた投資の知識を少しでも誰かの役に立てられればと思い、このブログを始めました。
無理なく続けながら、分かりやすい情報を発信していきます。

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