あの日の朝、少しだけ不安だった
定年を迎えた翌月のことでした。朝、いつものようにコーヒーを淹れて、テーブルに座りました。でも、その日は何となくいつもと違う気持ちでした。
「これから先、年金だけで大丈夫だろうか」
漠然とした不安が、静かに心の中に広がっていました。会社員として働いていた頃は、毎月決まった給料が入っていました。でも、定年後はそうはいきません。貯金はありますが、長生きすればするほど、お金は減っていく一方です。
そんなとき、テレビのニュースで「老後資金2000万円問題」という言葉を耳にしました。「ああ、やっぱりみんな不安なんだな」と思うと同時に、「自分も何か手を打たないといけないのかもしれない」と感じたのです。
「投資」という言葉に、最初は抵抗があった
そこで思い浮かんだのが、「投資」という選択肢でした。でも、正直なところ、最初は抵抗がありました。
「投資なんて、お金持ちがやるものでしょう?」
「損をしたらどうするんだ?」
「難しそうだし、自分には無理かもしれない」
そんな思いが頭をよぎりました。でも、不安はそのまま消えてくれません。だったら、少しでも学んでみようと思ったのです。
図書館で投資の本を借りてきて、読み始めました。最初は専門用語ばかりで、頭が痛くなりそうでした。でも、読み進めていくうちに、「投資は、お金を増やすためのギャンブルではなく、将来のための準備なんだ」ということが少しずつ分かってきました。
投資は「未来の自分への贈り物」
ある本に、こんな一文がありました。
「投資は、未来の自分への贈り物です」
この言葉が、私の心にすっと入ってきました。今すぐお金が増えるわけではないけれど、時間をかけて、少しずつ育てていけばいい。焦らなくていい。そう思えたのです。
投資には、いろいろな種類があります。株式、債券、投資信託、不動産…。最初は何を選べばいいのか分かりませんでした。でも、初心者には「投資信託」が良いと書いてあったので、まずはそこから始めてみようと決めました。
投資信託は、プロが運用してくれるので、自分で個別の株を選ぶ必要がありません。少額から始められるのも魅力でした。「まずは月1万円から」と決めて、証券口座を開設しました。
焦らず、長期で考えることの大切さ
投資を始めてから、すぐに利益が出るわけではありません。むしろ、最初は相場が下がって、「やっぱり損をするのか?」と不安になることもありました。
でも、本やネットで学んだことを思い出しました。
- 投資は短期ではなく、長期で考える
- 一喜一憂せず、コツコツ続ける
- 分散投資をして、リスクを減らす
この3つを心に刻みました。そして、相場が下がっても、慌てて売ったりせず、じっと待つことにしました。
数ヶ月経つと、少しずつですが、資産が増えていることに気づきました。もちろん、上がったり下がったりの繰り返しです。でも、長い目で見れば、少しずつ成長している。そう実感できたのです。
読者のあなたへ
もし、あなたが今、「投資を始めようかな」と迷っているなら、私からひとつだけアドバイスをさせてください。
「焦らなくていい。でも、始めないことには何も変わらない」
投資は、決してギャンブルではありません。正しい知識を持って、長期的に取り組めば、少しずつ未来が明るくなっていきます。もちろん、リスクはあります。でも、何もしないことにも、リスクはあるのです。
私も、最初は不安でいっぱいでした。でも、一歩踏み出してみて、「やってみて良かった」と心から思っています。
まとめ
定年後の不安が、私の背中を押してくれました。投資を始めたことで、お金のことを前向きに考えられるようになりました。
まだまだ勉強中ですが、これからも焦らず、コツコツと続けていきたいと思います。あなたも、もし少しでも興味があるなら、まずは小さな一歩から始めてみてください。
一緒に、学んでいきましょう。