この記事で分かること
- REITとは何か、その基本的な仕組み
- 一般的な不動産投資との違いとメリット
- REITの種類と選び方のポイント
- 初心者がREITを始める具体的なステップ
結論:REITは少額から不動産投資ができる仕組み
REIT(リート)とは、多くの投資家から集めた資金で複数の不動産を購入・運用し、そこから得られる賃料収入や売却益を投資家に分配する「不動産投資信託」のことです。
REITを活用すれば、以下のメリットがあります。
- 数万円程度の少額から不動産投資を始められる
- プロが不動産の運用を行うため、専門知識がなくても投資できる
- 株式と同じように証券取引所で売買でき、換金しやすい
- 複数の不動産に分散投資されているため、リスクが抑えられる
- 比較的高い利回りが期待できる(法人税の優遇制度がある)
REITの基本的な仕組み
REITは「Real Estate Investment Trust」の略で、日本語では「不動産投資信託」と呼ばれます。日本で取引されているREITは「J-REIT(ジェイリート)」と呼ばれています。
初心者向け用語解説
「J-REIT(ジェイリート)」とは? → 日本の証券取引所に上場しているREITのこと。2026年1月時点で63銘柄が上場しており、時価総額は約15兆円規模の市場となっています。
REITの基本構造
REITの仕組みはシンプルです。

- 投資家が「投資証券」を購入してREITに出資する
- REITは集めた資金でオフィスビル、商業施設、マンションなどの不動産を購入する
- 不動産のプロが物件を管理・運用し、賃料収入や売却益を得る
- 得られた収益から費用を差し引いた利益を、投資家に分配金として還元する
具体例で考えてみよう
たとえば、あなたが10万円でREITを購入したとします。そのREITが都心のオフィスビルを複数保有していれば、あなたはそのビルから得られる賃料収入の一部を「分配金」として受け取れます。つまり、自分でビルを買わなくても、その家賃収入の恩恵を受けられるということです。
一般的な不動産投資との違い
個人で不動産を購入する場合、数千万円〜数億円の資金が必要になります。また、物件の管理や入居者対応なども自分で行う必要があります。

一方、REITなら数万円から始められ、物件の管理はすべてプロに任せられます。複数の物件に分散投資されているため、空室リスクも抑えられるというメリットがあります。
初心者がつまずきやすいポイント
「投資信託」との違いがわかりにくい
REITは「不動産投資信託」と呼ばれますが、一般的な投資信託とは少し異なります。
REIT(J-REIT)は、証券取引所に上場されており、株式のようにリアルタイムで売買できます。価格は市場で決まるため、1日の中で変動します。
一般的な投資信託は、1日1回算出される基準価額で売買されます。また、REITを投資対象に含む投資信託もあり、「REITファンド」と呼ばれています。
初心者向け用語解説
「REITファンド」とは? → 複数のREITに投資する投資信託のこと。1つのREITを買うより、さらに分散投資ができます。少額(100円〜)から積立もできるので、初心者にも始めやすい選択肢です。
分配金と配当金の違い
REITから受け取るお金は「分配金」と呼ばれます。株式投資で受け取る「配当金」と同じようなものですが、REITは法人税の優遇制度があるため、利益の大部分を投資家に分配する仕組みになっています。
そのため、株式の配当金と比べて、REITの分配金は相対的に高い利回りが期待できる傾向にあります。2026年1月時点でのJ-REIT全体の平均分配金利回りは約4.4%程度となっています。
価格変動のリスク
REITは証券取引所で売買されるため、株式と同じように価格が変動します。不動産市況や金利動向、経済情勢などの影響を受けて、値下がりすることもあります。
「不動産だから安全」というイメージがあるかもしれませんが、価格変動リスクがあることは理解しておきましょう。
具体例:REITの種類と投資対象
REITにはさまざまな種類があり、投資対象となる不動産の種類によって分類されています。

オフィスビル特化型
企業向けのオフィスビルに投資するREITです。東京や大阪などの都心部の大型オフィスビルが中心です。景気の影響を受けやすい傾向があります。
住居(マンション)特化型
賃貸マンションやアパートに投資するREITです。住居は景気に左右されにくく、安定した賃料収入が期待できます。
商業施設特化型
ショッピングモールやスーパーマーケットなどの商業施設に投資するREITです。消費動向の影響を受けやすい面があります。
物流施設特化型
倉庫や物流センターに投資するREITです。EC(ネット通販)の拡大により、近年注目されている分野です。長期契約(5〜10年)が多く、収益の安定性が強みです。
ホテル特化型
ホテルや旅館などの宿泊施設に投資するREITです。観光需要や景気の影響を大きく受ける傾向があります。インバウンド(訪日外国人)の増加により、近年は好調なセクターとなっています。
総合型
複数の種類の不動産に分散投資するREITです。リスク分散効果が期待できます。
具体例で考えてみよう
たとえば「物流施設特化型」のREITは、Amazonや楽天などのEC企業が使う倉庫に投資しています。ネット通販の利用が増えるほど、倉庫の需要も高まり、安定した賃料収入が見込めます。一方、「ホテル特化型」は観光客の増減に左右されやすいですが、インバウンド需要が回復すれば高いリターンが期待できます。
実際にどう行動すればいいか
ステップ1:証券口座を開設する
REITを購入するには、証券会社で口座を開設する必要があります。ネット証券なら、手数料が安く、少額から投資できる銘柄も多いのでおすすめです。
主なネット証券には、楽天証券、SBI証券、松井証券などがあります。
証券口座の開設方法について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
証券口座の開設方法とは?初心者が迷わず始められる5つのステップ
ステップ2:投資する銘柄を選ぶ
証券会社のウェブサイトでREITの一覧を確認できます。以下のポイントを参考に選んでみましょう。
- 投資対象の不動産タイプ:自分が投資したい分野を選ぶ
- 分配金利回り:年間の分配金額÷投資金額で計算される。3〜5%程度が目安
- 運用資産の規模:大型のREITほど安定性が高い傾向
- 運用実績:過去の分配金の推移や価格の変動をチェック
最新の銘柄情報や利回りは、不動産証券化協会のJ-REIT.jpで確認できます。
ステップ3:少額から始めてみる
最初は無理のない金額で始めましょう。1銘柄あたり数万円〜10万円程度から購入できます。
いきなり大きな金額を投資せず、値動きや分配金の受け取りを体験しながら、少しずつ慣れていくことをおすすめします。
具体例で考えてみよう
たとえば、5万円で分配金利回り4%のREITを購入した場合、年間で約2,000円(税引前)の分配金が期待できます。まずは小さな金額で始めて、「分配金を受け取る」という体験をしてみるのもよいでしょう。
ステップ4:NISAの活用も検討する
新NISAの成長投資枠を使えば、REITの分配金や売却益が非課税になります。通常は約20%の税金がかかるため、NISA口座での投資も検討してみましょう。
ただし、NISA口座には年間の投資上限額があるため、他の投資商品とのバランスも考える必要があります。
注意点・よくある失敗パターン
高利回りだけで選んでしまう
「分配金利回りが高い=良いREIT」とは限りません。利回りが極端に高い場合は、何か理由がある可能性があります。
価格が大きく下落して利回りが高く見えているだけかもしれません。利回りだけでなく、運用内容や資産の健全性もチェックしましょう。
分配金が減ることもある
REITの分配金は、毎回同じ金額が保証されているわけではありません。賃料収入が減ったり、不動産の売却損が出たりすれば、分配金が減少することもあります。
「毎月決まった金額がもらえる」という認識は誤りです。あくまで運用成果に応じて分配されるものです。
短期売買で損をする
REITは株式と同じように売買できますが、価格変動を狙った短期売買は初心者には難しいものです。
REITは中長期的に保有し、定期的な分配金を受け取りながら資産形成していくスタイルが向いています。
1つの銘柄に集中投資してしまう
特定のREITだけに投資すると、そのREITが投資している不動産の種類や地域に偏りが生じます。
できれば複数の銘柄に分散するか、総合型のREITを選ぶことで、リスクを分散することができます。また、REITファンド(REITに投資する投資信託)を活用するのも一つの方法です。
金利上昇の影響を見落とす
一般的に、金利が上昇するとREITにはマイナスの影響があるとされています。REITは借入金を使って不動産を取得するため、金利上昇で借入コストが増加するためです。金利動向にも注目しておくと良いでしょう。
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REITファンドについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
eMAXIS Slim 先進国リートインデックス(除く日本)の評価レビュー|メリット・デメリットと初心者向け解説
ニッセイ・グローバルリートインデックスファンドの評価レビュー|メリット・デメリットと初心者向け解説
よくある質問(FAQ)
Q. REITと不動産クラウドファンディングの違いは?
REITは証券取引所に上場しているため、いつでも売買できます。一方、不動産クラウドファンディングは非上場で、運用期間中は原則として解約できません。流動性(換金しやすさ)を重視するならREITが向いています。
Q. REITはいくらから始められますか?
J-REITは1口単位で購入でき、銘柄によって異なりますが、数万円〜20万円程度から購入できます。より少額から始めたい場合は、REITファンド(投資信託)なら100円から積立可能なものもあります。
Q. REITの分配金はいつもらえますか?
J-REITの決算は年2回が一般的で、決算後に分配金が支払われます。銘柄によって決算月が異なるため、複数の銘柄を組み合わせることで、より頻繁に分配金を受け取ることも可能です。
Q. REITは株式とどちらがおすすめですか?
どちらが良いかは一概には言えません。REITは株式と異なる値動きをすることが多いため、両方を組み合わせることで分散投資の効果が期待できます。自分の投資目的やリスク許容度に合わせて検討しましょう。
Q. 金利が上がるとREITにどんな影響がありますか?
一般的に、金利が上昇するとREITにはマイナスの影響があるとされています。REITは借入金を使って不動産を取得するため、金利上昇で借入コストが増加するためです。ただし、金利上昇局面でも好調なセクター(ホテルなど)もあります。
Q. REITはインフレ対策になりますか?
不動産はインフレ時に価値が上がりやすい「実物資産」のため、REITはインフレ対策の一つとして考えられています。物価上昇に伴い賃料も上がる傾向があるためです。ただし、すべてのREITが同じようにインフレに強いわけではないので、分散投資を心がけましょう。
まとめ
- REITは少額から不動産投資ができる仕組みで、プロが運用してくれるため専門知識がなくても始められる
- 証券取引所で売買でき、換金しやすいが、価格変動リスクがあることも理解しておく
- 投資対象の不動産タイプによって、オフィス型、住居型、商業施設型、物流施設型などに分かれている
- 分配金利回りだけでなく、運用内容や資産の健全性もチェックして銘柄を選ぶことが大切
- 少額から始めて、中長期的に保有しながら分配金を受け取るスタイルが初心者には向いている
REITは、株式や債券と異なる資産クラスとして、ポートフォリオに組み入れることで分散投資の効果も期待できます。焦らず、自分のペースで学びながら投資していきましょう。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。記事中のデータは2026年1月時点の情報に基づいています。