結論:ネット証券選びで見るべきポイントは、手数料の安さ・取扱商品の豊富さ・ポイント還元制度・スマホアプリの使いやすさ・サポート体制の5つです。最初の1社は総合力の高い大手ネット証券を選んでおくと安心です。投資を始めたいと思っても「どこで口座を開けばいいの?」と迷う方は多いですが、自分に合った証券会社を選べば、その後の投資生活がぐっとスムーズになります。
ネット証券とは?店舗型証券会社との違い
ネット証券とは、インターネット上で取引ができる証券会社のことです。店舗を持たず、オンラインで完結するため、手数料が圧倒的に安いのが最大の特徴です。
店舗型の証券会社(野村證券や大和証券など)では、担当者が対面でアドバイスしてくれる安心感がありますが、その分、手数料は高めに設定されています。一方、ネット証券は自分で判断して取引する必要がありますが、手数料は店舗型の10分の1以下になることも珍しくありません。
初心者の方には「誰かに相談したい」という気持ちもあるかもしれませんが、長期的な積立投資や新NISAを活用する場合は、ネット証券で十分です。最近のネット証券は初心者向けの解説記事や動画も充実しているので、学びながら進めることができます。
初心者がつまずきやすいポイント
ネット証券を選ぶ際、初心者の方がよくつまずくのは以下の3つです。
- 情報が多すぎて比較できない:各社のサイトを見ても専門用語が多く、何を基準に選べばいいか分からない
- 「とりあえず有名なところ」で決めてしまう:CMで見た会社を選んだものの、自分の投資スタイルに合っていなかった
- 複数口座を開設しすぎる:「どこがいいか分からないから全部開設」してしまい、管理が大変になる
大切なのは、自分が何に投資したいかを先に決めておくことです。新NISAで投資信託を積み立てたいのか、個別株にも挑戦したいのか、目的によって最適な証券会社は変わります。
ネット証券選びの5つのチェックポイント
それでは、具体的にどこを見て選べばいいのか、5つのポイントを解説します。
1. 手数料の安さ
2024年以降、多くのネット証券では国内株式の売買手数料が無料化されています(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)。ただし、「ゼロコース」など特定のコースを選択する必要がある場合もあるので、口座開設時に確認しましょう。
投資信託の購入手数料(買付手数料)も、主要ネット証券ではノーロード(手数料無料)が主流です。長期投資では、わずかな手数料の差が将来的に大きな差になるので、手数料が安い証券会社を選ぶことは重要です。
2. 取扱商品の豊富さ
新NISAで投資信託を買いたい場合、つみたて投資枠対応の商品数をチェックしましょう。SBI証券や楽天証券は200本以上の投資信託を取り扱っており、選択肢が豊富です。
また、将来的に米国株や中国株などの外国株にも投資したい場合は、取扱銘柄数も確認しておくと良いでしょう。SBI証券は米国株の取扱が特に充実しています。
IPO(新規公開株)に興味がある方は、IPO取扱実績もポイントです。2024年はSBI証券がIPO取扱銘柄数No.1でした。
3. ポイント還元制度
2024年以降、クレジットカード積立でポイントが貯まるサービスが人気です。
- SBI証券:三井住友カードでVポイントが貯まる
- 楽天証券:楽天カードで楽天ポイントが貯まる
- auカブコム証券:au PAYカードでPontaポイントが貯まる
- マネックス証券:マネックスカードでマネックスポイントが貯まる
普段使っているポイントサービスと連携できる証券会社を選ぶと、投資しながらポイントも貯まって一石二鳥です。ただし、ポイント還元率だけで選ぶのではなく、総合的なサービス内容を見て判断しましょう。
4. スマホアプリの使いやすさ
投資は長く続けるものなので、毎日使うアプリが使いやすいかどうかは意外と重要です。各社ともスマホアプリをリリースしていますが、画面の見やすさや操作のしやすさには差があります。
口座開設前に、各社のアプリ紹介ページやレビューをチェックしておくと良いでしょう。SBI証券は2024年に取引サイトやアプリのリニューアルを進めており、今後さらに使いやすくなることが期待されています。
5. サポート体制・学習コンテンツ
初心者の方は、困ったときにサポートを受けられるかも大切なポイントです。電話サポートやチャットサポートの対応時間、問い合わせのしやすさを確認しましょう。
また、投資について学べる記事や動画が充実しているかもチェックポイントです。楽天証券の「トウシル」やSBI証券の「マーケット情報」など、各社が初心者向けの教育コンテンツを提供しています。投資の勉強をしながら取引できる環境が整っていると、安心してスタートできます。
実際にどう行動すればいいか(ステップ形式)
ネット証券を選んで口座を開設するまでの流れを、ステップ形式で解説します。
ステップ1:自分の投資目的を明確にする
まず、何のために投資するのかを考えましょう。
- 新NISAでコツコツ積立投資をしたい
- 個別株にも挑戦してみたい
- 米国株に投資したい
- IPOに応募したい
目的によって、重視すべきポイントが変わります。
ステップ2:2〜3社に絞り込む
すべての証券会社を比較するのは大変なので、大手ネット証券2〜3社に絞り込みましょう。初心者におすすめなのは以下の証券会社です。
- SBI証券:総合力No.1、取扱商品が豊富、IPOに強い
- 楽天証券:楽天ポイントが貯まる・使える、初心者向けコンテンツが充実
- マネックス証券:米国株の取引に強い、クレカ積立のポイント還元率が高い
ステップ3:公式サイトで詳細を確認する
各社の公式サイトで、以下を確認しましょう。
- 手数料体系(無料コースがあるか)
- 新NISA対応の投資信託数
- クレカ積立のポイント還元率
- スマホアプリのレビュー
ステップ4:口座開設を申し込む
気に入った証券会社が決まったら、口座開設を申し込みましょう。オンラインで完結し、最短で翌営業日には口座が開設されます。
必要なものは以下の3つです。
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- マイナンバー確認書類(マイナンバーカードまたは通知カード)
- 銀行口座情報
スマホで本人確認書類を撮影してアップロードするだけなので、10〜15分程度で完了します。
ステップ5:少額から投資を始める
口座開設ができたら、まずは少額から投資を始めましょう。いきなり大金を投資するのではなく、月1,000円〜3,000円程度の積立投資から始めると安心です。
操作に慣れてきたら、徐々に投資額を増やしていけばOKです。
注意点・よくある失敗パターン
最後に、ネット証券選びでよくある失敗パターンと注意点をお伝えします。
失敗パターン1:複数の口座を同時に開設してしまう
「どれが良いか分からないから、とりあえず全部開設」という方がいますが、最初は1社に絞ることをおすすめします。複数の口座を管理するのは意外と大変で、結局使わない口座が出てきてしまいます。
まずは1社で慣れてから、必要に応じて2社目を開設する方がスムーズです。
失敗パターン2:ポイント還元率だけで選ぶ
クレカ積立のポイント還元率は魅力的ですが、それだけで選ぶのは危険です。取扱商品が少なかったり、アプリが使いにくかったりすると、長く使い続けるのが苦痛になります。
ポイントは「おまけ」と考えて、総合的なサービス内容で判断しましょう。
失敗パターン3:NISA口座を後から変更しようとする
NISA口座は1人1口座しか開設できません。変更も可能ですが、年に1回しか変更できず、手続きも面倒です。NISA口座を開設する証券会社は、慎重に選びましょう。
注意点:キャンペーンに惑わされない
証券会社は頻繁にキャンペーンを実施していますが、キャンペーン目当てで選ぶのは避けましょう。キャンペーンは期間限定ですが、投資は長く続けるものです。長期的に使いやすい証券会社を選ぶことが大切です。
まとめ
- ネット証券選びは、手数料・取扱商品・ポイント還元・アプリの使いやすさ・サポート体制の5つをチェック
- 最初は大手ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)から1社選ぶと安心
- 自分の投資目的を明確にしてから選ぶと、後悔しない
- 複数口座を同時開設せず、まずは1社で慣れることが大切
- NISA口座は変更が面倒なので、慎重に選ぶ
ネット証券選びは投資の第一歩です。焦らず、自分に合った証券会社を見つけて、少額から投資を始めてみましょう。分からないことがあっても、それは当たり前のこと。少しずつ学びながら進めていけば大丈夫です。