生活防衛資金とは?投資を始める前に準備すべき金額と貯め方

生活防衛資金とは?投資を始める前に準備すべき金額と貯め方

結論:投資の前に「生活防衛資金」を必ず確保しよう

投資を始めるなら、まず生活防衛資金を準備することが最優先です。生活防衛資金とは、失業・病気・災害など予期せぬ事態に備えて、生活費として確保しておくお金のことです。

この資金があることで、投資で一時的に損失が出ても慌てて売却する必要がなくなり、長期的な資産形成に集中できます。目安としては、生活費の3〜12ヶ月分を用意しておくと安心です。世帯の状況によって適切な金額は異なりますが、投資はこの資金を確保してから始めるという考え方が大切です。

生活防衛資金とは?その意味と役割

生活防衛資金とは、いざという時に生活を守るための「緊急用の現金」です。具体的には次のような状況に備えます:

  • 突然の失業や収入減少
  • 病気やケガによる医療費・休業
  • 災害や事故による予期せぬ出費
  • 家電の故障など急な支出

この資金は「投資に回さずに、すぐに使える形で確保しておくお金」という点がポイントです。投資は値動きがあるため、必要な時にすぐ現金化できないリスクがあります。だからこそ、投資とは別に確保しておく必要があるのです。

初心者がつまずきやすいポイント

投資初心者が生活防衛資金について誤解しやすいのは、次のようなケースです:

①「貯金があるから大丈夫」と全額投資してしまう

手元に100万円あるからといって、全額を投資に回すのは危険です。何かあった時に投資商品を売却しなければならず、タイミングによっては損失が確定してしまいます。

②生活防衛資金も「増やそう」と投資に回す

生活防衛資金の目的は「増やすこと」ではなく「守ること」です。すぐに引き出せる普通預金や定期預金に置いておくのが基本です。

③「月収の○倍」という単純計算だけで決める

自分の生活スタイルや家族構成を考えず、一般論だけで金額を決めてしまうと、実際には足りないケースがあります。

具体例:世帯別の生活防衛資金の目安

2024〜2025年の最新データをもとに、世帯別の目安額をご紹介します。

一人暮らし(独身)の場合

目安:生活費の3〜6ヶ月分(約50万〜100万円)

総務省の調査によると、単身世帯の1ヶ月の平均生活費は約20万円です。会社員で安定した収入がある場合は3〜6ヶ月分、フリーランスなど収入が不安定な場合は6〜12ヶ月分を目安にするとよいでしょう。

夫婦2人世帯の場合

目安:生活費の6ヶ月分(約80万〜160万円)

2人世帯の平均的な生活費は月25万〜30万円程度。共働きで収入源が複数ある場合は6ヶ月分、片方のみ働いている場合は9〜12ヶ月分を確保しておくと安心です。

子どもがいる家族世帯の場合

目安:生活費の6〜12ヶ月分(約200万〜400万円)

3〜4人家族の場合、月々の生活費は31万〜34万円が平均です。子どもの教育費や医療費など予期せぬ出費が増えるため、より多めに確保しておくことが推奨されます。

※上記はあくまで目安です。住宅ローンの有無、持病の有無、働き方などによって適切な金額は変わります。

実際にどう行動すればいいか(ステップ形式)

ステップ1:自分の「最低限の生活費」を計算する

まず、毎月の支出を洗い出しましょう。家賃、食費、光熱費、通信費、保険料など、絶対に必要な支出をリストアップします。娯楽費や交際費は、緊急時には削減できるため除外してOKです。

ステップ2:目安の月数を決める

自分の働き方や家族構成に応じて、何ヶ月分の生活費を確保するか決めます。

  • 会社員・公務員:3〜6ヶ月分
  • 自営業・フリーランス:6〜12ヶ月分
  • 子育て世帯:6〜12ヶ月分

ステップ3:目標金額を算出する

生活防衛資金の目標額 = 月々の最低限の生活費 × 目安の月数

例:月20万円 × 6ヶ月 = 120万円

ステップ4:貯める仕組みを作る

給料が入ったら、先取り貯蓄で自動的に別口座に移す仕組みを作りましょう。毎月2万円ずつなら、2年で約50万円貯まります。無理のないペースで続けることが大切です。

ステップ5:すぐに引き出せる場所に保管する

普通預金、定期預金、ネット銀行の高金利普通預金などに預けておきます。投資商品や、解約に時間がかかる商品には入れないようにしましょう。

注意点・よくある失敗パターン

失敗パターン①:生活防衛資金を作る前に投資を始める

「早く始めた方が複利効果で有利」と焦って投資を始めると、何かあった時に投資商品を売却せざるを得なくなります。まずは生活防衛資金の確保を優先しましょう。

失敗パターン②:生活防衛資金をリスク商品で運用する

「少しでも増やしたい」と株式や投資信託で運用すると、いざという時に元本割れしている可能性があります。生活防衛資金は「守り」のお金なので、安全性を最優先にしてください。

失敗パターン③:一度貯めたら終わりと思ってしまう

生活環境が変わったら(結婚、出産、転職など)、生活防衛資金の必要額も変わります。年に1回は見直しをして、適切な金額を維持しましょう。

失敗パターン④:生活防衛資金を気軽に使ってしまう

旅行や趣味など、緊急でない支出に使ってしまうと本来の役割を果たせません。普段使いの口座とは別に管理して、「本当の緊急時のみ」使うルールを決めておきましょう。

まとめ

  • 生活防衛資金は、失業・病気など予期せぬ事態に備える「緊急用の現金」
  • 目安は生活費の3〜12ヶ月分。世帯構成や働き方によって適切な金額は異なる
  • 投資を始める前に、まず生活防衛資金を確保することが資産形成の基本
  • すぐに引き出せる普通預金などに保管し、投資商品には入れない
  • ライフステージの変化に応じて、定期的に見直すことが大切

生活防衛資金は、投資で成功するための「土台」です。焦らず、まずはこの資金をしっかり確保してから、安心して投資の世界に一歩を踏み出しましょう。

カマタ

カマタ

はじめまして、カマタです。
これまで学んできた投資の知識を少しでも誰かの役に立てられればと思い、このブログを始めました。
無理なく続けながら、分かりやすい情報を発信していきます。

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